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高等教育における自律性支援のあり方に関する研究:選択肢の提供に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 22K02733
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09050:高等教育学関連
研究機関福岡工業大学短期大学部

研究代表者

藤井 厚紀  福岡工業大学短期大学部, 情報メディア学科, 教授 (10364100)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード学習方略 / GPA / 嗜好 / ハイフレックス型授業 / フィードバック / 自律性支援 / 選択肢 / 自己決定 / 自己調整学習 / 多様性
研究開始時の研究の概要

多様化が進む高等教育において,学生一人ひとりの自律的な学びを生み出す環境を構築することが喫緊の課題である。本研究では,大学教員および学生それぞれにおける自律性支援に関する認識を調査し,とりわけ「学習に係る選択肢の提供」が学生の自律性に及ぼす影響について明らかにすることを通して,わが国の高等教育における自律性支援のあり方について検討することを目的とする。

研究実績の概要

2023年度における主な研究実績は,次の2点である。
1)大学生849名を対象として,自律性支援の認知と学習方略の嗜好・使用に関する調査を行った。その結果,大学教員による自律性支援の主な内容として,授業の学習目標や重要なポイントの提示については多くなされていたが,学習方法・教材・課題の選択肢の提供や,学生のニーズをくみ取る態度については少ないことが示された。また,学生の多くが対面授業を中心に受講していたものの,学生の対面・遠隔授業に対する嗜好については,ほぼ均等に分散していた。そのうち,対面授業を強く好む学生については,実際に受講した授業形態に関わらず高い成績(GPA)を収めており,遠隔授業を少し好む学生については特に遠隔授業において良い成績を収めていることがわかった。一方,特定の授業形態に好みを持たない学生の成績は低い傾向にあった。これらの結果から,学生のニーズや好みに沿った柔軟で個別化された学修環境の導入の必要性と可能性が示唆された。
2)ICTの使用により強化された学びのユニバーサルデザイン(UDL)の枠組みをプログラミング科目に導入した。授業における学習方法に選択肢(対面・遠隔,教員に質問,友人と相談,Web検索など)を設け,受講生に対して明示的に提供した。受講生は,自身のニーズや状況に基づいて各学習方法を選択しながら,15週のコースを概ね良好に遂行したことが確認された。一部の学生は,コースの柔軟性に対して肯定的に評価した。さらに,学生の学習行動や態度から,教員は学生の潜在的なニーズを新たに認識することができた。これらの結果から,ICTを活用したUDLの枠組みの導入は,学習者の多様性に対する教員の認識の促進や,自律的かつ包摂的な学修環境の構築に有用であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り,2022年度に行った授業実践およびアンケートの分析結果をもとに,2023年度において2編の学術論文を出版することができた。

今後の研究の推進方策

2024年度(最終年度)では,申請者らが担当している授業科目においてICTを活用した自律性支援の実践を行い,将来の研究に向けた知見を得ることを目標とする。また,2023年度における研究成果の内容を国際会議・国内学会で発表するとともに,本研究課題の総括を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 学習者の多様性を考慮に入れた学習環境の構築の試み2024

    • 著者名/発表者名
      FUJII Atsunori
    • 雑誌名

      工学教育

      巻: 72 号: 1 ページ: 1_38-1_43

    • DOI

      10.4307/jsee.72.1_38

    • ISSN
      1341-2167, 1881-0764
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Exploring autonomy support and learning preference in higher education: introducing a flexible and personalized learning environment with technology2024

    • 著者名/発表者名
      Fujii Atsunori
    • 雑誌名

      Discover Education

      巻: 3 号: 1 ページ: 26-26

    • DOI

      10.1007/s44217-024-00111-z

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] コロナ禍における授業実践の振り返り :ハイフレックス型授業に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      藤井厚紀
    • 雑誌名

      福岡工業大学研究論集

      巻: 55(2) ページ: 97-102

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 期待理論に基づいた学習動機づけの定量的分析の試み:ビジネス情報系科目を例として2023

    • 著者名/発表者名
      藤井厚紀,石橋慶一
    • 学会等名
      日本ビジネス実務学会第42回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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