研究課題/領域番号 |
22K02742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
平澤 紀子 岐阜大学, 教育学研究科, 教授 (20320393)
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研究分担者 |
松下 光次郎 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30531793)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 発達障害 / 行動問題 / 行動支援計画 / 機能的アセスメント / Webシステム |
研究開始時の研究の概要 |
小学校初年次における行動問題を示す発達障害児に対しては、個別の教育支援計画に機能的アセスメントを活用した就学前から継続した支援が有効である。しかし、それを学校体制で推進するための研修プログラムには、教師の知識や経験が影響するという課題がある。そこで本研究では、1)機能的アセスメントから有効な支援を計画するためのWebシステムを構築し、2)それを学校チームで実行するためのリーダー研修と、3)効果的な運用方法を検討する。それにより、有効な支援を計画し、実行するためのWebシステムが明らかになる。その成果は、ICTを通じた個別の 教育支援計画の有効化であり、全国に必要な就学支援モデルを提供する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、小学校初年次における行動問題を示す発達障害児に対して、学校体制で有効な支援を計画し、実行するためのWebシステム を開発することである。そのために、個別の教育支援計画にエビデンスのある機能的アセスメントを活用して、就学前から継続した小学校初年次の有効な支援の計画と実行を支えるWebシステムを検討する。具体的には、1)予備的検討を行っているエクセル版アセスメントからWebシステムを構築し、2)それを学校チームで実行するためのリーダー研修と、3)支援の実行を支える 効果的な運用方法を明らかにする。 2022年度の研究計画は、有効な支援を計画するためのWebシステムの構築である。対象児の行動情報を入力すると行動問題の機能に応じた支援の計画がガイドされるWebシステムを作成した。本システムはMicrosoft社製の表計算ソフトExcel2016を用いて作成し、教師が各自のデバイスで使用できる。対象児の行動情報を入力すると、場面毎に三項随伴性が表示され、その三項随伴性から行動問題の機能を選択すると、機能に基づく支援例が表示される。教師は表示された支援例を手がかりとして対象児に応じた行動支援計画を作成する。さらに、記録を入力するとグラフ化され、支援効果を検討できる。小学校10校の特別支援教育コーディネーターと1年担任のペア10組を対象として、行動支援計画作成研修で試用評価した。その結果、本システムの仕様は、実践場面のインターネット環境に左右されず試用でき、一定の質を満たす行動支援計画の作成に資することが明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の研究計画を実施し、目的とする教師が行動支援計画を作成するための機能的アセスメントをアシストするWebシステムを作成し、その試用評価から、妥当性を検証できたため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、Webシステムを学校チームで実行するためのリーダー研修の開発である。2022年度に作成したWebシステムを用いて学校チームで有効な支援を計画し、実行するためのリーダー研修について、研修を受けていない教師と計画した支援の質や効果から明らかにする。対象者は小学校の特別支援教育コーディネーターと1年担任のペア20組である。リーダー研修後、特別支援教育コーディネーターは同じシステムを用いて非研修担任と対象児の支援を計画し、実行評価する。2地域のグループで、5月と8月で時期をずらして研修を実施し、研修を導入しない場合と導入した場合の変化を反復的に比較検証する。本結果から、Webシステムを用いたリーダー研修の効果と課題を明らかにする。
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