研究課題/領域番号 |
22K02743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
青柳 まゆみ 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (40550562)
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研究分担者 |
森 まゆ 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 講師 (20634893)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 点字教科書 / 視覚障害 / 教科 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、点字教科書の編集協力者等に対するインタビュー調査、各教科の指導者(盲学校教員)に対するアンケート調査、および点字教科書編集に関する資料分析を通して、児童生徒が真に学びやすい点字教科書のあり方を教科横断的に明らかにし、今後の点字教科書のより良い編集方法について総合的に考察する。
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研究実績の概要 |
1.QRコードの保障に関する研究 近年の教科用図書は、視覚的表現の多用化が顕著であり、点字教科書の編集には一層の配慮が必要となってきている。例えば現行の点字教科書では、QRコードを介したデジタルコンテンツへのアクセスが保障されていない。しかし、とりわけ外国語科の教科書で提供されるQRコードについては音声データが中心であり、点字を使用する児童生徒にとっても、主体的な学習の教材になり得ると考えられた。そこで本研究では、『特別支援学校(視覚障害)中学部点字教科書 英語』に掲載されたQRコードを生徒が主体的に活用できる教材の開発と評価を行うこととし、その準備に着手した。 2.視覚障害英語科教育研究会(仮) 我が国には、視覚障害児童生徒に対する教科教育に特化した研究会が教科ごとに存在し、そこで蓄積された知見が点字教科書の編集にも生かされている。本研究では、新たに外国語科の研究会を立ち上げ、点字教科書の編集方針やUEB(統一英語点字)の系統的学習方法等を積極的に検討する基盤作りを目指すこととし、その準備に着手した。 3.実践研究 小学2年生の盲児1名に対し、小学部社会科点字教科書に掲載されている地図の読解に向け、具体物教材と図を往還的に用いながら、図の読み取り能力育成のための導入的指導の実践を行い、その成果を論文にまとめた。指導では、座標や枠など外部の基準を有する「はめこみ教材」「ひもとおし」「オセロ」の3種類の具体物教材を活用し、これらと図を対応させるとともに、触察から得られたイメージの言語化を重視した。指導後に、指導前と同一の課題を実施したところ、より正確な位置で各記号を捉えられるようになり、全体との位置関係を踏まえた図の読み取り能力の向上が確認できた。また、課題構成時の児童の指の動きの分析からは、枠などとの位置関係を意図的に確認する行動の増加が読み取れた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象の選定、研究方法の検討などを順調に進めている。 QRコードの保障に関する研究では、ウェブアクセシビリティに問題があり、既存のリソースを使用しにくいという課題が判明したが、現在、その対策を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には、点字を使用する生徒が英語の教科書のQRコードに独力でアクセスできる環境を整備し、生徒および教師に対して、操作性や学習上の有効性について評価を依頼する。 また、点字教科書編集の方針・課題等を明らかにするために、各教科の点字教科書編集協力委員(主として座長経験者)、および点字教科書の製作・発行を行っている機関の実務担当者(点字出版所等)に対するインタビュー調査にも着手する。
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