研究課題/領域番号 |
22K02755
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
阿部 聡子 (野口聡子) 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (60792215)
|
研究分担者 |
豊島 勝昭 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (50307542)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 極低出生体重児 / 学童期 / 視機能症状 / ビジョントレーニング / 学童期極低出生体重児 / 衝動性眼球運動 / 滑動性眼球運動 / 視覚発達支援 / 読み書き困難 |
研究開始時の研究の概要 |
極低出生体重児(VLBW児)は知能指数が正常でも学習上の困難を生じやすいことが報告されている。VLBW児のおよそ8割は通常学級に進学するが、学習上の困難に対する支援方法は十分に解明されていない。本研究ではVLBW児の読み書き困難症状と眼球運動異常や視覚認知機能異常との関連を明らかにし、眼球運動や視覚認知の発達を促す支援が読み書き困難症状の改善に有効であるか検証する。児の見えづらさについて医学的評価や対応方法を保護者や教育機関へ情報提供することで、学習支援にあたる保護者や教育機関の負担軽減を目指す。
|
研究実績の概要 |
1)前年度に引き続き、出生体重1500g未満で出生した学童期の児における眼球運動について解析を行った。6歳時ウェクスラー式知能検査で全検査IQ75以上の児について眼球運動の苦手の有無と下位項目の値に関連があるか検討し、いずれの項目についても有意な差を認めなかった。眼球運動の苦手を認めた児では認めなかった児と比較して視機能症状チェックリストの該当数が有意に多いことが明らかとなった。前年度の項目に加え、輻輳について解析を行った。1500g未満で出生し、ウェクスラー式知能検査で全検査70以上の斜視のない児について解析を行い、38%の児で輻輳ができず、うち35%の児が衝動性眼球運動または滑動性眼球運動の苦手さを伴っていた。輻輳の異常の有無と周産期状況など臨床的背景について検討したが、明らかな違いを認めなかった。 2)直接観察法により滑動性眼球運動または衝動性眼球運動が年齢の標準値未満であり、見ることの苦手による自覚症状をもつIQ75以上の児に対し、家庭で実施可能なビジョントレーニングを指導し3か月間実施した。実施の前後でNSUCOのスコア、DEMテスト、視機能症状について比較した。本年度内のトレーニング参加者は1名で、NSUCOスコアの正常化、DEMテストでの横読み時間のzスコア正常化、視機能症状の改善を認めた。1日あたりのトレーニングの平均実施時間は6分で、有害事象は認めなかった。 3)前年度得られた研究結果について「1500g未満で出生した児の学童期視機能症状についての検討」と題して学会での報告を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では眼球運動の苦手と視ることの苦手による自覚症状の両方をもつ児に対し家庭でのビジョントレーニングの有効性を調査することを目的としている。家庭で無理なく実施できると考えられるトレーニングの内容について文献および講演・講習会等の聴講により情報収集を行い、検討を重ねたうえでトレーニングの実施に至ったが、本年度は眼球運動の苦手を認める児は一定数存在するもののトレーニング参加希望者が現時点では少なく、研究の遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き視覚トレーニングの参加者を募り、有効性の評価について検討を行う。また前年度、眼球運動異常を認めるもトレーニングのプロトコールが準備中であったために参加できなかった児についても改めて参加対象として説明を行う。本年度得られた結果について学会での報告を行う予定である。
|