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発達障害のある聴覚障害児の実態調査とスクリーニング方法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K02762
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09060:特別支援教育関連
研究機関東京学芸大学

研究代表者

大鹿 綾  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10610917)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード聴覚障害 / 発達障害 / 発達性ディスレクシア / 全国調査 / ディスレクシア / スクリーニング方法
研究開始時の研究の概要

【研究1:発達障害のある聴覚障害児に関する全国調査】聞こえにくさだけでは説明しきれない困難さを抱える聴覚障害児の実態を明らかにする。これまで実施した3回の全国調査結果とも比較しつつ、今後の聴覚特別支援学校における新たな学びの選択肢について検討していく。
【研究2:聴覚障害と発達性ディスレクシアを併せ有する者のスクリーニング方法の検討】聴児において活用されている手法を聴覚障害児に適切に活用する方法を検討した上で、聴覚障害児における標準化を目指す。より早期に困り感を把握することで適切な支援につながることが期待できる。

研究実績の概要

1.漢字の読みに特異な困難を示す1事例について継続介入を行い、実態把握からの効果的な支援を検討した。困難の要因として、聴覚障害に起因する音韻的な誤り、発達性読み書き障害による文字と音との対応困難、注意の課題による漢字の形に注目することへの困難さがあり、語彙ルートを用いた意味的な経路に頼って読もうとしていること、一方で語彙力に不十分さがあるため「1字から他の熟語の読みや意味につられる」や「送り仮名までつけたもの」、「読みの追加」という対象児に特徴的な誤り方をしていると考えた。そこで、漢字1字ずつの複数の読み方を丁寧に確認し、熟語や文章に読み方を当てはめて聞いたことのある読みを考えることについて週1回程度計11回の指導を行った。指導後のSTRAWR正答数は介入指導前より11/126語あがった。誤答を分析すると、先述した対象児に特徴的な誤り方はどれも減少していた。
2.聴児用に標準化されている〈特異的発達障害診断・治療のための実践ガイドライン〉(稲垣,2010)を聴覚特別支援学校小学部1~3年生の児童35名に実施し、標準化を試みた。また対象児童の担任教諭も対象として読み書きチェック表を配布した。音読方法で音声群と指文字群に分けて分析し、聴児検査に基づき各群の標準偏差から基準値を求めようとしたが、個人差が大きかったため分散が大きくなり、担任教諭のチェックによる実態と合わなかった。そこで聴児の音読時間の平均と聴覚障害児の音読時間の平均との差を聴こえにくさによる影響分と捉え、それを聴児の+2SD値に足して基準値を作成した。また基準値と合わせて、単文以外の音読課題のうち複数課題で「読み飛ばし」または「読み誤り」が見られること、担任教諭の読み書きチェック表(特に「単語または文節の途中で区切ってしまう」や「逐次読みをするあるいは続いた」)を含めて総合的に判断する必要があると考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

事例介入において2カ年の介入をまとめることができた。また、発達性ディスレクシアのスクリーニング検査について一旦のまとめを行った。今後さらに対象を増やし来年度も検討を続ける予定である。

今後の研究の推進方策

来年度は集計を終えた全国調査及び事例介入について、論文執筆、学会発表を行う予定である。また、今年度に引き続き、発達性ディスレクシアのスクリーニング検査について対象を増やし、検討を続ける。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 5件、 査読あり 1件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 視覚情報の認知に及ぼす聴覚情報の影響に関する一考察-動画における背景音の整合性の観点から-2024

    • 著者名/発表者名
      澤隆史,大鹿綾,村尾愛美,相沢宏充,林田真志,新海晃
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要 総合教育科学系

      巻: 75 ページ: 195-204

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Activities for Independent Living in School for the Deaf2022

    • 著者名/発表者名
      Aya Oshika
    • 雑誌名

      Journal of Special Education Research

      巻: 11(2) ページ: 94-53

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中学校難聴通級指導教室に通う聴覚障害生徒の自己認識―通級や障害に対する意識調査―2022

    • 著者名/発表者名
      大鹿綾,三宅一広
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要総合教育科学系

      巻: 72 ページ: 314-326

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 聴覚障害児に対する日本語指導における配慮に関する研究―ICT教材の活用に関する意識調査を通じて―2022

    • 著者名/発表者名
      澤 隆史,大鹿 綾,村尾 愛美,相澤 宏充,林田 真志,新海 晃
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要総合教育科学系

      巻: 72 ページ: 275-285

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 視覚情報の違いが聴覚障害児の数量判断に及ぼす影響―偶発的状況における推論の観点から―2022

    • 著者名/発表者名
      澤 隆史,大鹿 綾,村尾 愛美
    • 雑誌名

      東京学芸大学教育実践研究支援センター紀要

      巻: 19 ページ: 109-114

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] インクルーシブ教育時代とろう教育2024

    • 著者名/発表者名
      大鹿綾
    • 学会等名
      第22回手話言語研究セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 聴覚障害者のコミュニケーション満足度に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      山室凱世,大鹿綾
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ろう学校音楽科における教師の専門性 授業への参与観察を通して2023

    • 著者名/発表者名
      立花秀斗,大鹿綾
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 聴覚障害特別支援学校のセンター的機能に関する文献的考察 -特別支援学校間の連携に着目して-2023

    • 著者名/発表者名
      峰あやめ,大鹿綾
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ろう重複障害児の文字指導プログラム作成に向けた予備的研究 -定型発達児・知的障害児・聴覚障害児の言語発達等の文献調査-2023

    • 著者名/発表者名
      樋口珠音,大鹿綾
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 勝手読みの頻発する聴覚障害児の困難要因について2023

    • 著者名/発表者名
      大鹿綾,濵田豊彦
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 聴覚障害児における副詞の量感評価 -量や程度を表す副詞の評価傾向-2023

    • 著者名/発表者名
      澤隆史,大鹿綾,村尾愛美,相澤宏充,林田真志,新海晃
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ろう重複障害幼児との双方向コミュニケーションの促進に向けた実践2023

    • 著者名/発表者名
      樋口珠音,大鹿綾
    • 学会等名
      第49回日本コミュニケーション障害学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Inclusive education & d/Deaf and Hard of Hearing Students in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Aya Oshika
    • 学会等名
      University of Tsukuba Disability Sciences Program & The Ohio State University College of Education & Human Ecology International Mini-Conference
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ラウンドテーブルディスカッション「聴覚障害児の英語教育を考える-聴覚を活用する指導法の可能性を探る-」2022

    • 著者名/発表者名
      大鹿綾
    • 学会等名
      英語教育ユニバーサルデザイン研究学会第4回研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 音韻意識の発達に遅れを示す聴覚障害幼児への介入指導2022

    • 著者名/発表者名
      大鹿綾,濵田豊彦
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 通常学校に在職する聴覚障害教員への音声認識アプリによる情報保障の試み2022

    • 著者名/発表者名
      石塚篤史,大鹿綾
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 聴覚特別支援学校における聴覚障害児同士の差別意識について―聴覚特別支援学校卒業生・教員に対する聞き取り調査から―2022

    • 著者名/発表者名
      大石鮎美,大鹿綾
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 聴覚障害児への日本語指導における配慮に関する研究―ICTの活用に向けた意識調査から―2022

    • 著者名/発表者名
      澤隆史,村尾愛美,大鹿綾,相澤宏充,林田真志,新海晃
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 発達障害のある聴覚障害児のオンラインにおける支援の実践―学習活動「ダンボ」での取り組みから―2022

    • 著者名/発表者名
      飯塚わかな,大鹿綾
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 難聴特別支援学級・通級指導教室担当教員の困り感に関する一研究2022

    • 著者名/発表者名
      飯塚わかな,喜屋武睦,渡部杏奈,大鹿綾
    • 学会等名
      第48回日本コミュニケーション障害学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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