研究課題/領域番号 |
22K02777
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
滝吉 美知香 岩手大学, 教育学部, 准教授 (00581357)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 発達障害 / ASD / 自己 / 自己理解 / 自閉スペクトラム症 / 他者理解 / 障害理解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,自閉スペクトラム症(ASD)の特性に関連する自己理解・他者理解について,非ASD者を対象の中心として,幼児期から成人期までの発達段階をふまえ,場面状況に応じた検討を行う。研究は大きく3部により構成され(1.幼児期の非ASD児を対象としたASD児に対する認識と態度の検討,2.児童~思春期における学校教育場面でのASD児者とのかかわりと非ASD児者の自己・他者理解の検討,3.児童~成年期のASD・非ASD児者における日常コミュニケーション場面に対する理解の検討),障害の有無にかかわらず相互に尊重し合う共生社会意識形成を目指した学校教育的・心理臨床的かかわりについて考える。
|
研究実績の概要 |
本研究は,自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; 以下ASDと表記)者の自己理解の様相を,周囲の他者としての非ASD者との関係性の視点をふまえてとらえることにより,双方のコミュニケーションや理解の促進につなげようとするものである。 研究は大きく①幼児期の集団場面,②児童期・思春期における学校教育場面,③児童期~成年期の日常コミュニケーション場面に分けられる。 ①については,ASD児の在籍する幼稚園年中クラス(22名)を対象に収集したデータの分析を行った。現在,論文化作業を行っている。 ②に関しては,ASDのある小学生一事例について,書字の困難さに対応した感想文の個別指導を行い,自己理解の変化や学校場面での適応状況の変容を併せて考察した。その内容を日本LD学会第32回大会にて発表した。現在,論文投稿中である。 ③に関しては,昨年度収集および分析を行ったデータ(非ASD群:小学生96名,中学生197名,高校生138名,成人99名の計530名。ASD群:小学生2名,中学生4名,高校生15名,成人12名の計33名。)について,考察を行った。その内容を日本特殊教育学会第61回大会にて発表した。ASD者についてのデータ数には不十分さが残り,現在も継続してデータ収集作業を継続中である。 上述の研究を進めるにあたり得られた観点や知見を,編著書や大学講義および地域の学校や教育期間での講演等に反映させ社会還元を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①については,データの再分析と論文化を進めた。 ②については,昨年度までに収集・分析したデータの一部を学会においてポスター発表(日本LD学会第32回大会)を行った。そこで得られた議論や意見を反映させ論文を作成・投稿し,現在査読中である。また,国公立小学校3校からの協力を得て,3~4年生約300名を対象に,新たなデータ収集を行った。 ③については,学会でのポスター発表(日本特殊教育学会第61回大会)を行った。ASD群のデータ数が不足しているため,引き続き収集中である。 研究を進めるにあたり得られた観点や知見を,編著書「発達障害と出会うとき:事例と研究知見から考える自己理解と支援」に反映した。 以上より,研究全体の進捗状況としては(2)おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
①については,引き続き論文化の作業を進める。 ②については,査読の結果に応じて論文の修正を行う。同時に,新たなデータの分析とまとめを行い,学会発表を予定している。 ③については,引き続きデータ収集を進める。
|