研究課題/領域番号 |
22K02791
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
立田 祐子 中部大学, 現代教育学部, 准教授 (70869982)
|
研究分担者 |
榊原 佐和子 北海道大学, 学生相談総合センター, 准教授 (00761389)
小倉 靖範 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10827918)
佐藤 枝里 中部大学, 学生相談室, 教授 (40542668)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 特別支援教育 / 高等学校 / 高大連携 / 障害理解 / 困難感の類型 / 障害学生支援 / 合理的配慮 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、障害を抱えているものの高等学校在籍中に十分な支援を受けていないと思われる生徒が、大学入学後に不適応を起こす事例が少なからず見られ、高等学校における発達障害を含めた障害のある生徒への支援の充実、及び適切な高大連携が喫緊の課題である。本研究は、大学の障害学生支援部署が、大学と高等学校という組織の枠組みを超え、高等学校において生徒と教師の双方に対する支援を行うための要件や具体的な支援方策について検討し、高等学校において障害のある生徒を支えるための包括的支援プログラムを開発し、「高大連携」を推し進めることを目的として実施する.
|
研究実績の概要 |
2023年度は、インタビュー調査の検討を行った。これら事例から、支援の必要な生徒が、学習遂行に問題がない、あるいは要求される学力水準を満たしている場合は、生徒の困難感に、教師が気づかない可能性があることが分かった。また、生徒が診断を受け、障害があることが明らかな場合には、合理的配慮を組織として検討し、支援を進めていくことが可能となるが、そうでない場合は、教師個人の力量に頼る傾向が高いことも読み取れた。すなわち、診断はないが支援が必要と思われる生徒の対応については、教師の経験からの対応に頼ることとなっていた。 しかし、大学卒業後を見据えた進路指導の重要性を指摘する教員もおり、オープンキャンパス等の意義を理解し参加を呼び掛けているものの、その大学での障害学生支援の実際や担当部署の存在については、理解が足りなかったり、そもそも関心がなかったりすることが分かった。とはいえ、「合理的配慮」については、多少の理解と「やらなくてはいけない」との意思はうかがえた。 インタビュー調査からは、進学重視校における教師と支援の必要な生徒との「困難感」について、4つの類型に分けることができた。 「類型Ⅰ:教師・生徒ともに困っている」教師個人の力量に任されており、教師、生徒ともに困難は解消されない「類型Ⅱ:教師は困っていないが、生徒は困っている」教師からの適切な支援がないことから、生徒の困難はさらに助長される「類型Ⅲ:教師は困っているが、生徒は困っていない」教師は支援の方向性が分からず、生徒・保護者への対応に苦慮している。大学進学後に不適応が生じる可能性がある「類型Ⅳ:教師・生徒ともに、困っていない」適切な支援が必要であるにもかかわらず、支援が行われていないことから、大学進学後に不適応が生じる可能性がある これらについて、日本高校教育学会第30回大会、および同学会北海道支部第12回研究会で口頭発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
インタビューの分析・検証にかなりの時間を費やした。プログラムの試案までには、至っていないが、進学重視校におけるおける教師と支援の必要な生徒との係わりについての現状と課題を明らかにすることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
進学重視校での現状と課題、大学における障害学生支援室の取組等について現状と課題を更に明らかにするため、教員らによるシンポジウムを実施し支援の必要な生徒・学生に対しての高大連携の在り方について具体的な検討を行っていく。
|