研究課題/領域番号 |
22K02793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
田中 善大 大阪樟蔭女子大学, 児童教育学部, 准教授 (60729143)
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研究分担者 |
大久保 賢一 畿央大学, 教育学部, 教授 (40510269)
庭山 和貴 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (80805987)
大対 香奈子 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (80509927)
野田 航 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70611440)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Prevent-Teach-Reinforce / PTR / 機能的アセスメント/行動支援計画 / 学校規模ポジティブ行動支援 / 第3層支援 / 多層支援モデル / ポジティブ行動支援 / 応用行動分析学 / 機能的アセスメント |
研究開始時の研究の概要 |
学校規模ポジティブ行動支援(SWPBS)は、学校全体(第1層)から小集団(第2層)、個人(第3層)へと階層的で連続的な支援を実施する多層支援モデルに基づくものであり、第3層支援では機能的アセスメントに基づく支援が実施される。海外では教員主体による機能的アセスメントに基づく支援を実現するためのモデルとしてPTRが開発され、その効果が確認されている。本研究では、日本の学校での持続可能な第3層支援の実現に向けて、日本の学校で実施可能なPTRに基づくプログラム(日本版PTRプログラム)を開発し、その効果を検証する。プログラムの効果は、特別支援学校の児童生徒及び教員を対象に行動観察等を実施し検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、SWPBSの第3層支援の実現に向けた日本版PTRプログラムの開発及びその効果を検証することである。2022年度は、研究実施計画に沿って、日本版PTRプログラムのマニュアルとツールを開発した。ツールとしては、目標設定、行動の測定、機能的アセスメントの実施、支援計画の作成、実行度評価等に用いるものを作成した。 加えて、開発した日本版PTRプログラムのマニュアルとツールを用いて、徳島県の特別支援学校1校と大阪府の特別支援学校1校において、実行チームを編成し、対象児に対して機能的アセスメントに基づく支援を実施し、その効果を検討した。実行チームのファシリテーターは、主に応用行動分析学を専門とする外部の専門家(代表研究者または分担研究者)が担当した。徳島県の特別支援学校では、3名の対象児に対して3つの実行チームを編成し、大阪府の特別支援校では、4名の対象児に対して4つの実行チームを編成した。 2つの特別支援学校ともに、プログラムの中で作成した支援計画に関する教員の実行度は高いものであった。作成した支援計画の対象児の行動に対する効果は、単一事例研究によって検証した。その結果、徳島県の特別支援学校では3名全員に作成した支援計画の効果が確認された。大阪府の特別支援学校では4名中3名で作成した支援計画の効果が確認され、残り1名についても支援計画の改善点が明確になった。プログラムの中で作成した支援計画の社会的妥当性については、教員対象の質問紙調査を実施し、検討した。質問紙調査の結果から、作成した支援計画の社会的妥当性は高いものであることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究実施計画では、研究期間の1年目(2022年度)に日本版PTRプログラムのマニュアルとツールの開発を行う計画であった。この点については、2022年度にマニュアル及びツールの開発を行ったため、おおむね計画通り進んでいる。1点、支援計画作成の際の参考資料となる支援方法のリストの作成を予定していたが、このリストについては作成途中であるため、2023年度に作成を予定している。 2022年度は日本版PTRプログラムのマニュアルとツールの開発に加えて、開発したプログラムとツールを用いて、特別支援学校で日本版PTRプログラムを実施し、その効果を検討した。これは、当初の研究実施計画においては、研究期間の2年目(2023年度)に実施を予定していたものであった。当初の研究実施計画の1年目の内容をおおむね実施したことに加えて、2年目の内容についてもおおむね実施することができたため、現在までの進捗状況については、当初の計画以上に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、当初の研究実施計画に沿って進めていく。2022年度には、当初の研究計画の1年目の内容に加えて、2年目の内容である外部の専門家を含むチームによる日本版PTRプログラムの効果検討についても実施した。そのため、2023年度については、当初の研究計画の3年目に予定していた校内の教員チームによる日本版PTRプログラムの効果検討を実施する予定である。ここでは、PTRプログラムの実行チームのファシリテーターは、外部の専門家ではなく校内の教員が担当し、外部の専門家はWeb会議システム等を用いてファシリテーターのサポートを行う。校内の教員がファシリテーターとなって実行チームで支援計画を作成する際には、支援方法のリストの必要性がより高まるため、2023年度には、2022年度に作成途中であった支援リストを完成させる予定である。
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