研究課題/領域番号 |
22K02799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
山形 和史 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (40344600)
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研究分担者 |
野坂 大喜 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80302040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 人工知能 / 医療AI / 医学教育 / Project Based Learning / AI / 血液疾患 / 診断 / 教育 |
研究開始時の研究の概要 |
AIユーザとなる全ての医療スペシャリストには医療AI技術の特性を理解し,AI診断プロセスを論理的思考でもって既知の医学的知見と照らし合わせて可視化させ,AI診断結果を検証するスキルが必要となる。そこで本研究は,医療AIの運用課題を踏まえ,AI技術スキルとAI診断結果論理的検証スキルを兼ね備えた医療者養成のためのProject Based Learning(PBL)型AI教育手法の研究を行い,次世代AI医療に対応した診断スペシャリスト教育プログラムを確立する。
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研究実績の概要 |
【研究概要】医療AI技術の臨床利用においては,診断精度はモデル構築時の学習用データの質と量に強く依存し,データセットに含まれる症例によって異なる診断結果が導かれる上,診断過程もブラックボックス化されていること,またAIによる治療患者選定には倫理的課題の発生も考慮する必要がある。このことからAIユーザとなる全ての医療スペシャリストには医療AI技術の特性を理解し,AI診断プロセスを論理的思考でもって既知の医学的知見と照らし合わせ可視化させ,AI診断結果を検証するスキルが必要となる。そこで本研究は, 次世代AI医療に対応した診断スペシャリスト教育プログラムの確立を目的として,医療AIの運用課題を踏まえ,AI技術スキルとAI診断論理的検証スキルを兼ね備えた医療者養成のためのProject Based Learning(PBL)型AI教育手法の研究を行った。 【研究実績】本年度は「医療AI診断技術と医療AIシステム特性評価教育プログラムの開発」と「医療AI診断における可視化技術と論理的検証スキル教育プログラムの開発」を実施した。「医療AI診断技術と医療AIシステム特性評価教育プログラムの開発」においては医療AI教育用教材として、健常人および血球形態異常を示した患者末梢血塗抹標本200例を収集し、AI学習と検証に使用する顕微鏡画像5万枚の撮影を行った。また診断スペシャリスト向けAI教育を行うためAI基礎技術の体系的学習プログラムのコンテンツ開発を行った。一方、「医療AI診断における可視化技術と論理的検証スキル教育プログラムの開発」においては血球顕微鏡画像を用いて血球分類用AIモデルを作成し、検証画像に対してExplainable AI技術を用いた可視化を行い、分類不一致画像に対する検証方法についての学習用プログラムを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「医療AI診断技術と医療AIシステム特性評価教育プログラムの開発」と「医療AI診断における可視化技術と論理的検証スキル教育プログラムの開発」において、医療AI学習用教材として症例数200例、顕微鏡画像5万枚の撮影を完了している。また診断スペシャリスト向けAI教育を行うため体系的AI基礎学習プログラムについても完了しており、2023年度内に血液疾患診断に特化した学習プログラム開発を行うための基盤データや基盤コンテンツは概ね予定通りの進捗状況にある。また医療AI診断における可視化技術教育プログラムについても収集した画像を用いた教育用コンテンツを開発済みであり、2023年度において論理的検証スキル教育プログラム開発を開始するための基盤データや基盤コンテンツ準備は概ね予定通りの進捗状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、2022から2023年度において「医療AI診断技術と医療AIシステム特性評価教育プログラムの開発」と「医療AI診断における可視化技術と論理的検証スキル教育プログラムの開発」を行い、これらの実践的検証を2024年度に実施する予定である。2022年度研究においては血液形態解析スペシャリスト向けの学習用プログラム開発に特化しているものの、医療AI診断技術としてはチャットGPTなど自然言語解析とボット技術を融合させた会話型AIモデルが医療診断補助技術として利用されうることから、最新の汎用AI技術の開発動向を踏まえ、これら技術の検証方法についても学習プログラムに反映させていく予定である。
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