研究課題/領域番号 |
22K02810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
森 博彦 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (10247124)
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研究分担者 |
岡 誠 東京都市大学, 情報工学部, 講師 (20453946)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 防災教育 / ハザードマップ / 認知地図 / 発達過程 / アクティブラーニング / e-learning |
研究開始時の研究の概要 |
防災カリキュラムの開発は、実施する小学校の校長及び現役教員と相談しながら進めていく。内容は、児童が各学年でどの程度地図や街についての状況を把握しているかを相談してそれに適したシステムを開発していく。また、防災の内容については、その小学校の地理的特徴を踏まえながら、研究者が進めていくことになる。 認知地図の発達では、児童とその父兄に自宅周辺の地図を描いてもらうことが基本となる。大人と児童の違い、また学年の違い等を比較しながら、認知心理学の手法を用いて分析し、発達過程を明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
これまで、防災教育のカリキュラムを作成、コロナ禍期を挟んで新宿区立愛日小学校で総合科目の一環として授業をおこなった。具体的には、1回目では地震や水害の一般的な防災の知識を座学で教えた。その後、数名ずづの班に分かれて、児童自らが災害があった際の危険箇所を探し、写真を取ることと、それがなぜ危険なのかをメモにとるという、フィールド調査を行った。その後、教室に戻り、このカリキュラム用に開発したタブレット端末用アプリケーションに入力をおこなった。次の授業ではすべての班で入力したデータを統合し、他の班の視点を共有した。その結果を踏まえ、再度フィールド調査を行った。それらをプレゼンテーション形式にまとめ、本年は各班が父兄や新宿区長の前で発表をおこなった。その結果、児童の防災意識の高まりと防災時の自助のための防災行動の方法が大きく広がることがわかった。 この研究のもう一つの目的である児童の認知地図の発達プロセスを調べるために、児童とその保護者に手書き地図を作成してもらった。描いてもらう範囲は年により手探りで変えているが、本年度は学校から自宅方向とは全く違う範囲にフィールド調査に行ってもらい、その範囲について、フィールド調査前後に手書き地図を2度描いてもらった。その結果、フィールド調査前はほぼ地図が描けない児童が多かったが、フィールド調査後にはかなり正しい地図を描けるようになっていた児童も多く、目的を持った街散策が認知地図の発達に貢献することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究で、作成した防災カリキュラムの有用性が認められた。特に、フィールドワークにおいてはじめは児童が独自の視点で探し、その後、他の児童の視点を共有、もう一度フィールドワークに行って共有した視点を体験することで防災行動様式が広がることがわかり、2回フィールドワークを行うカリキュラムの有効性がわかってきた。 認知地図も、何らかの目的や意識を持って散策することで、発達することがわかり、認知地図の発達過程も少しずつ明らかになりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は防災の座学では、多くの映像を使用したり、事前模擬体験を行うことで、フィールドワークへどのような影響を与えるかを調べる予定である。また、模擬体験とフィールドワーク、フィールドワークとフィールドワークによってどのように認知地図の変化があるかについても調べる予定である。 また、児童によって認知地図の発達度合いが同学年であってもかなり違うため、その違いは何から起こるのかも調査する予定である。
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