研究課題/領域番号 |
22K02825
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
小野 真嗣 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10369902)
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研究分担者 |
曽我 聡起 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (30279476)
田邉 鉄 北海道大学, 情報基盤センター, 准教授 (30301922)
菊地 真人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60909878)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 語彙表 / 一元化 / 概念辞書 / WordNet / 上位語・下位語 / 可視化 / 語彙学習サービス / ユーザビリティ / 英語語彙表 / 有効性 / 満足度 / サービス科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生徒および教師を対象に、教育現場におけるサービス受益者として捉え、サービス科学におけるユーザビリティエンジニアリングの観点から、機械可読媒体として公開されている既存の多様な語彙リストおよびその提供システムの「有効性」、学習上および指導上の「効率」、語彙リスト提供の「満足度」という「ユーザビリティの尺度」を用いて数値によって定量的に評価し解明することを目的とする。それら語彙リストの効果的な再活用法の開発を着地点に目指す取組である。一連の言語研究における作業自体も、言語情報処理に主眼を当てた科学教育の一環としてのプログラミング的思考の指導への一助として提案することも期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、生徒および教師を対象に、ユーザビリティエンジニアリングの観点から、機械可読媒体として公開されている既存の多様な語彙リストおよびその提供システムの「有効性」、学習上および指導上の「効率」、語彙リスト提供の「満足度」という「ユーザビリティの尺度」を用いて数値によって定量的に評価し解明することを目的としている。本研究は、それら語彙リストの効果的な再活用法の開発を着地点に目指す取組であり、一連の言語研究における作業自体も、言語情報処理に主眼を当てた科学教育の一環としてのプログラミング的思考の指導への一助として提案することが期待される。 2023年度は2022年度の進捗を踏まえ、次の3点に取り組み、それぞれ成果発表を行った。①質問紙調査により、(1)語彙学習法に対する個人の考え方や取組実態、(2)学習者が求める効率性度合、(3)語彙間の繋がりの可視化描写情報による語彙学習の期待度を調査した。これにより、学習者の英語基礎力が高い者ほど、語彙間の繋がりへの意識が高く、文字列を読み込む学習ではなく可視化描写された語彙情報への学習期待度が高く示された。②概念辞書であるWordNetを語彙表示の基本データベースとし、そこに収録されている上位語や下位語の情報を基に語彙間の上下関係を可視化可能とするウェブシステムを構築した。また語彙範囲の制限について従前の統合語彙表により任意に絞り込みができるように構築した。③統合語彙表に収録の語彙について、WordNet以外の各種辞書に掲載されている語義の抽出を試み、語義に対するCEFRレベルの簡易データベース化を試みた。これにより多義語において、同一綴りでも語義の異なりにより個別のレベルで検索が可能となるデータを構築できた。 以上の点について、関係学協会において口頭発表により初年度の成果報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目となる2023年度は次の3点に取り組み、それぞれ成果発表を行った。①質問紙調査により、(1)語彙学習法に対する個人の考え方や取組実態、(2)学習者が求める効率性度合、(3)語彙間の繋がりの可視化描写情報による語彙学習の期待度を調査した。これにより、学習者の英語基礎力が高い者ほど、語彙間の繋がりへの意識が高く、文字列を読み込む学習ではなく可視化描写された語彙情報への学習期待度が高く示された。②概念辞書であるWordNetを語彙表示の基本データベースとし、そこに収録されている上位語や下位語の情報を基に語彙間の上下関係を可視化可能とするウェブシステムを構築した。また語彙範囲の制限について従前の統合語彙表により任意に絞り込みができるように構築した。また③統合語彙表に収録の語彙について、WordNet以外の各種辞書に掲載されている語義の抽出を試み、語義に対するCEFRレベルの簡易データベース化を試みた。これにより多義語において、同一綴りでも語義の異なりにより個別のレベルで検索が可能となるデータを構築できた。 以上により、学習者や指導者が、上位語や下位語の情報を基にした語彙関係の可視化描写により、語のグルーピングによる学習の一定の手法となるシステムの構築が完了し、学習活動ができる体制が概ね整った。しかしながら、一方で、④システムの継続的な修正作業は残っており、ユーザビリティの向上に向けた作業や効果・有効性および満足度の質問紙調査による収集作業は引続き残っている。また、当初2年目で予定していた、⑤語彙学習のコンテンツ提供サービスの構築作業に入り、スマホやタブレット等のタッチパネル式の学習サービスの試作が未完であり、こちらの作業に入る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
上述の④と⑤の研究取組を進める予定である。特に、⑤語彙リストおよび語彙情報の提供サービスに対するユーザビリティ調査については、学習プログラム、学習継続性の観察、また一連の学習サービスに対する効果、有効性、満足度のデータ収集と分析を行い、本研究で提案する語彙情報の可視化描写を通じた学習法の特徴を解明したい。
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