研究課題/領域番号 |
22K02827
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
内山 哲治 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (10323784)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 課題研究・探究活動 / 総合的な探究の時間 / 教員支援 / 主体的・対話的で深い学び / アクティブラーニング / 教員間ネットワーク / クリティカルシンキング / ロジカル・シンキング / クリティカル・シンキング / 経験帰納的学習 |
研究開始時の研究の概要 |
令和4年度から高等学校においても生徒が「主体的・対話的で深い学び」をもって学習することが求められている。われわれはこれまでの研究「経験帰納的学習」から,この実現には教員が「主体的・対話的で深い学び」の核心を理解し実行できることが重要であることを報告してきている。本研究では,教員がこの核心を理解するために,探究活動を行う生徒にわれわれが行う工夫や声掛けとそのあとの対話を通した活動に参加してもらい,各教員に気付きを促し,その気付きを共有してもらう。学校の特性を反映した気付きは教員間ネットワークを形成し,最終的に「主体的・対話的で深い学び」を実践する教員にとって心強い支えになることを明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
令和5年度研究2年目は,1年目の実践実績の拡がりから実践校(高校6校,中学校1校)が増えた。 高校は,ほとんどの生徒が大学進学する高校(いわゆる進学校)3校と進学よりも就職の方が多い3校に実践出来た。たまたまではあるが,前者は仙台市内,後者は仙台市近郊であった。前者3校のうち2校は教員へのアプローチよりも生徒に対する課題研究・探究活動の進め方に関する講演および発表会助言が主であった。助言時に数名の教員が声掛け内容を参考にしてくれていた。残りの1校には課題研究の授業に入って生徒と討論も出来たが,参考にしようという教員は居なかった。後者3校のうち1校は生徒の探究活動発表の助言指導,別の1校は探究活動時の生徒への助言から教員との話し合い等,残り1校(追加校)は教員集会で講演および深い討論を行うことが出来た。中学校に関しては,教員集会において探究活動の取り組み方の講演および深い討論が出来た。 一方,物理チップスとして,高校生を主体的にするための授業展開および実践を検討した。ここでは1年目の結果を受け,スモールステップの発問を繰り返し教科書に記載されている「当たり前」を再考させるクリティカルシンキングを授業に導入した。また,高校生の探究活動につながるシーズとして,高校現場で実現可能な酸化物高温超伝導体の作製方法について検討,実験を行った。これらは学会発表および研究論文としてまとめた。 また,教員間ネットワークに関しては,実践校1校の2学年教員間において組むことが出来た。これにより2年生の探究活動を体系的に実施することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目は,1年目に比べ実践校が高校2校・中学校1校増え,高校6校・中学校1校となり,学校間および校種間の違いが見えるようになってきた。学校間では,(1)進学が主な高校と就職が主な高校,(2)仙台市内の高校と仙台市周辺の高校であり,校種間では,(3)高校と中学校となる。 (1)に関しては,大学入試に大きく関係する。進学が主な高校においては,生徒と教員の両者において探究的な学習が入試に直結しないとの認識が根強くあるように思われる。したがって,中途半端な取り組み(教員がほぼ関与せず生徒に投げただけの取り組み含む)が散見された。一方,就職が主な高校では,教科以外・教科を活かした学習として活用できているのが見て取れた。(2)に関して,前者は探究活動は元より主体的に学ぶためのテーマ設定に縛りがなく生徒任せである場合が多い。一方,後者は地域おこし等の条件を設定し,地域の名産品の商品開発等まで展開できた事例があり,大いに生徒の主体性が発揮されていた。(3)に関しては,共に教科担任制であるが義務教育と高等教育の違いなのか,教員の意識が異なるように思われる。この点に関しては,今後明らかにしたいと考えている。 一方,物理チップスとして,大学院生を通してわれわれが高校生に授業実践することにより,現代高校生への教員のアプローチ手法を探究した。われわれの感覚ではあるが,学校教育ではある授業を行った場合,生徒一斉にその効果を発揮すること(のみ)を良しとした風潮があるように思われる。そこで,この概念を改めるべく,スモールステップによる生徒の変容を促し,この手法をループさせることによって,最終的にクラス全体に波及させる実践を行った。1年を掛けて,クラスで数名の生徒のみが変容しただけであったが,今後スパイラルとして展開したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度研究3年目は,さらに中学校が2校増える予定である。これで,実践校が高校6校・中学校3校となる。上記(1)-(3)に加えて,(4)中学校間の比較が可能になる。この(1)-(4)の比較を進めることによって,高校教員,中学校教員,および中高連携における探究的な取り組みの指導指針を検討したいと考えている。さらに,現職教員として教職大学院に入学し令和5年度に修了した教員にも参加してもらい,教科英語における,探究的な学びの手法についても着手する予定である。 (1)-(4)の取り組みに関しては,われわれが現職教員間にもっと入り込む必要を感じている。ややもすると外様の扱いを受ける。つまり,われわれと教員は関与せず,生徒に直接指導助言のみをして欲しい,探究的な内容には関わりたくないという教員が散見されるからである。高校・中学校にはそれぞれ校風・カラーがある。高校は高等教育であるからなおさらであり,そのカラーによって,探究のアプローチも異なる。これは,探究活動の指導が一様ではなく,学校に依存するということである。本研究では,最終的にこの学校依存性を明らかにすることを目指したい。 また,教員間ネットワークに関しては,高校を超えた若手教員のネットワークである物理サークルの支援を継続する。これは対面での活動を主としてきたが,時間的・空間的問題が生じる。そこで今後さらに,オンラインで各々の授業検討を行う教員間ネットワークを構築したいと考えている。学校現場ではコロナ禍でオンラインの体制も整ってきている。ざっくばらんな話から授業検討までできるオンライン支援体制を構築したいと考えている。また,課題研究・探究活動への実践として,プログラミング教育との融合や研究レベルの実験から学校現場で可能な簡易版等の開発を行う予定である。
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