研究課題/領域番号 |
22K02835
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
宮野 剛 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (60529840)
|
研究分担者 |
市村 浩一郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (10343485)
藤原 なほ 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20589543)
糸魚川 善昭 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30771810)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
渡邊 祐介 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (90789405)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 解剖学 / 低侵襲外科手術 / 小児外科 / トレーニング / リモート/オンライン |
研究開始時の研究の概要 |
2012年の日本解剖学会と日本外科学会によるガイドライン制定に伴って推進されてきた Cadaver Surgical Training (CST) を「小児領域に確立」する。技術指導方法として、オンラインによる遠隔教育システムを構築し、実臨床例への応用効果を評価する。オンサイト受講者には術者自身の筋疲労度の定量評価、手術動画による第三者評価などを追加する。本成果は、世界で初めての小児低侵襲外科手術の遠隔教育システムPOP-CST: Primary Online Pediatric-CSTの構築となり、小児外科における手術手技教育を普遍的、標準的かつ客観的にすることに大きく貢献する。
|
研究実績の概要 |
緒言: Minimally Invasive Surgery (MIS) におけるCadaver Surgical Training (CST) の有効性を遠隔的な指導環境を含めて評価した。 方法: CSTとして施行された手術は腹腔鏡下前方切除術と腹腔鏡下噴門形成術。1/2年目の初期研修医(外科志望)を集め、on siteでの手術見学(On-site: n=12)とremoteでの手術見学(Remote: n=12)に分類し、それぞれにCST前後でsurveyを実施 (Theater design, Surgical field, Anatomical recognition, Technical dissection, Trouble shooting, Surgical planning)。各項目毎に “実際の手術の際にどれだけ自信を持って臨めるか” を主観的に1~10点でスコア化した(スコア基準: 1=完遂する自信が全くない 4=上級医がいれば 7=同レベルの医師となら 10=単独でも)。また実際にCSTに術者として参加した研修医(Surgeon: n=6)にも同様のsurveyを行い、CST後のスコアをOn-siteと比較した。 結果: On-siteとRemoteともにCST後にスコアが向上した。有意に向上した項目は RemoteではField, Anatomy, Dissection, Planning、On-siteでは全6項目だった。CST後のスコアの比較においては、Designに関してのみOn-siteがRemoteより有意に高値だった。一方、Surgeonでも全6項目で有意に向上した。CST後のスコアの比較においてFieldとDissectionにおいて、SurgeonがOn-siteより有意に高値を示した。 結語: 主観的評価を用いた本研究では Theater designの構築以外の面ではRemoteによるCST参加はOn-siteによる参加と有意差は認めなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
On-siteでの見学参加も、Surgeonと比較すると術野展開と剥離操作に関して劣っており、今後の課題と考えられる。また実臨床に及ぼす影響が評価されていないこと、更に評価項目が主観的であることも課題と考えられ、今後の本研究を慎重に進めていく上で検討が必要と考える。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究における代表的課題が、実臨床に及ぼす影響が評価されていない点なので、今回 被験者となった研修医が、今後実際に手術を行った際に同様のアンケートを実施し、remoteとon-siteともにCSTが実臨床へ及ぼす効果を評価する予定である。また評価項目が主観的であることも課題だが、被験者に対し remote と on-site ともCST後に、ドライボックスなどで実技試験を行い、その際の筋疲労度などを数値化する多角的評価の追加も検討する。
|