研究課題/領域番号 |
22K02844
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
岩崎 千晶 関西大学, 教育推進部, 教授 (80554138)
|
研究分担者 |
唐牛 祐輔 関西医科大学, 医学部, 助教 (20826870)
村上 正行 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (30351258)
山田 嘉徳 関西大学, 教育推進部, 准教授 (60743169)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 社会情動的スキル / 学習支援 / 学生スタッフ / チューター / ライティングセンター / 高等教育 / 学習環境 / 初年次教育 / 研修プログラム / 大学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、大学で学習支援に取り組む学習支援者の社会情動的スキルを育む学習環境を構築することである。具体的な研究課題として「研究課題①学習支援者に求められる社会情動的スキルの明示」「研究課題②社会情動的スキルの育成プロセスと育成環境におけるデザイン原則の提示」「研究課題③学習支援者に求められる社会情動的スキルの成長を確認できる評価方法の導出」を行う。研究課題を遂行することで、学習支援者が社会情動的スキルを活かした質の高い学習支援を実践できる学習環境の構築を目指す。なお、本研究ではOECDの定義に準じ、社会情動的スキルは目標の達成、他者との協働、情動の制御から構成されるものとする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学で学習支援に取り組む学習支援者の社会情動的スキルを育む学習環境を構築することである。具体的な研究課題として「研究課題①学習支援者に求められる社会情動的スキルの明示」「研究課題②社会情動的スキルの育成プロセスと育成環境におけるデザイン原則の提示」「研究課題③学習支援者に求められる社会情動的スキルの成長を確認できる評価方法の導出」を行うことである。本研究では、先述の文部科学省調査により学習支援の実施率が増加傾向である「初年次教育における学習支援・ライティング支援」を主に扱う。初年度は、社会情動的スキルの目標行動、育成環境等に関する文献整理をし、研究に活かす要素を抽出した。また初年次教育における教員へのインタビュー結果を基に、研究課題①として「初年次教育における学生スタッフに求められる能力」の導出を行った。 2023年度はライティング支援を行う教員等を対象にヒアリング調査を実施し、学生スタッフに求められる能力の抽出、各大学で実施しているスタッフの育成方法や評価方法の導出を試みた。調査の結果、各大学の学習支援の特徴に応じた、学生スタッフの育成が行われていた。求められる能力に関してはごく一部であるが、学習者が目標を達成できるように「安心して話せる環境を短時間で作る」「学習者が自分で考えるワークを取り入れるなどして課題を解決することができるように促す」「根拠を提示して学習者の達成した点をほめる」能力等が提示された。これらの能力をはぐくむために研修や評価面談を定期的に実施している様子がうかがえた。評価の方法に関しては毎回録音をしている大学もあれば、定期的に評価シートをもとに面談を行う大学など、各大学により差異点があることが明らかになったため、今後の調査でどういった評価方法が望ましいのかについて改めて議論する必要性が明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教員向けのヒアリング調査を行うことにより、各大学で実施している学生スタッフに求める社会情動的スキルの能力群や、その育成方法や評価の方法を分析することができているため。これらは上記にも記した「研究課題①学習支援者に求められる社会情動的スキルの明示」「研究課題②社会情動的スキルの育成プロセスと育成環境におけるデザイン原則の提示」「研究課題③学習支援者に求められる社会情動的スキルの成長を確認できる評価方法の導出」の研究課題のそれぞれに関わる点である。ここでの結果をもとに、ライティングセンターを保有する各大学に対して質問紙調査を行い、結果を分析して、学習支援者の社会情動的スキルを育む学習環境の構築に活かしたいと考えている。 また、社会情動的スキルの尺度開発に関わる取り組みは現在調査を実施中であり、来年度中に研究成果を提示することができる予定としている。これらの状況から本研究は概ね順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はそれぞれの分析結果を、論文や学会発表や論文として研究成果に結びつけていく取り組みを行い、学習支援者に求められる社会情動的スキルの明示や、その育成プロセスと育成環境、ならびに評価方法の導出をする計画である。具体的には、まず学生スタッフを育成する教職員へのヒアリング調査の分析結果をもとに、上記の力や育成方法、評価方法を明らかにする。次に、これらの結果をもとに、ライティングセンタ―を保有する大学を対象とした質問紙調査実施に向けた質問項目の策定を行い、その後質問紙調査を実施する。ヒアリング調査と質問紙調査の結果をもとに、大学で学習支援に取り組む学習支援者の社会情動的スキルを育む学習環境を構築する。加えて、社会情動的スキルに関する尺度を明示化し、学習支援を担う組織が活用できる評価方法についても提示できるようにする。
|