研究課題/領域番号 |
22K02849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
中野 美香 福岡工業大学, 教養力育成センター, 教授 (60452819)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 議論 / グラウンドルール / コミュニケーション能力 / 熟達化過程 / 高等教育 / 遠隔ディスカッション |
研究開始時の研究の概要 |
遠隔のコミュニケーション能力の向上は本邦の国際競争力に関わる喫緊の課題であるが,遠隔特有の「やりづらさ」に着目し,心理的負担を解消することで能力を育成しようとする研究は皆無である。本研究は「信頼関係の構築」「意見交換・議論」「ICTスキル・状況対応力」の3つを遠隔ディスカッションに必要なフェーズとして設定し,実験・観察により1年間の大学生の遠隔ディスカッション能力の熟達化過程を解明する。さらに各フェーズの熟達段階に応じた適応的グラウンド・ルールを開発する。フェーズ間の能力バランスの可視化/個人・グループに必要なGRの提示により,最適な目標設定および成長の実感が可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究は1年間の大学生の遠隔ディスカッション能力の熟達化過程を短期・中期・長期のスパンに分け,実験・観察によるアプローチで明らかにすることを目的とした。2023年度は前年度に収集したデータを質的・量的に分析し、遠隔・対面のどちらにも対応できる汎用的な熟達化モデルおよび適応的グランドルールの開発に着手した。具体的には個人差やグループの関係性の要因を解析した後,15回で構成される講義での導入に向けて、経験の少ない学習者(0~3回程度),数回経験のある学習者(5回程度),ある程度,経験のある学習者(10回程度)に分けてグラウンド・ルールの初版を策定した。またグラウンド・ルールの導入方法に関する際の教員向けの支援マニュアルの一部を執筆した。この過程で、学習者の主観的認識の検討が必要になったため、質問紙調査とインタビュー調査を追加で実施した。また比較データとして,ディスカッションを導入した半期の授業で観察を実施し,「やりづらさ」の特定と共に,熟達化の阻害/促進要因を検討した。 研究の進捗状況については、「グループ・ディスカッションの初期熟達化を促進するグラウンド・ルールの策定」というタイトルで2023年9月に日本教育工学会で発表し,関連する研究者と課題を共有できた。また教育的介入の方法を研究するために2023年8月にフィリピン大学を訪問し、教育プログラムの仮案について議論した。この出張を通じてマイクロクレデンシャルによるグループ・ディスカッション能力向上の可能性について関連する研究者からレクチャーを受け、研究成果の公開に関わる重要な知見を得た。以上の研究を通じて得た研究成果に関して論文とテキストにまとめ出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務校で2023年度からカリキュラム改訂をおこない,新しい全学必修科目の責任者としてカリキュラム開発や教材開発に多くの時間を要しており,研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上記に述べた通り、学内の業務の都合で申請時のスケジュールで見るとやや遅れているが、研究全体としては計画に沿って順調に進めている。今後も、計画通りに着実に成果を積み上げていく。
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