研究課題/領域番号 |
22K02853
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柴田 博仁 群馬大学, 情報学部, 教授 (90898347)
|
研究分担者 |
澤田 麻衣子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (20645246)
小泉 健輔 群馬大学, 教育学部, 講師 (70709063)
安藤 裕 宮城大学, 事業構想学群, 准教授 (10921926)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | デジタル教科書 / タブレット端末 / 紙 / 小学生 / 算数 / プロトコル分析 / 問題解決 / 学習効果 |
研究開始時の研究の概要 |
教育現場では配布されたデジタル機器の有効利用が求められている。デジタル化で失われる学びもあると考えるが、その検討は十分になされていない。本研究では、教育現場での紙とデジタルの適切な使い分けを目指し、両者の学習効果への影響を評価する。算数や国語の授業を対象に、児童生徒の発話や行動をビデオ撮影してプロトコル分析し、メディアの違いが学びに対する姿勢、思考プロセス、成績に与える影響を定量的に比較する。学びの道具の適切の指針を示すことで、目的に応じて効果的な学びを導く最適な道具の選択を可能にしたい。
|
研究実績の概要 |
2022年3月に群馬大学共同教育学部附属小学校で1年生、2年生の算数の授業を対象に紙を用いた授業とタブレット端末を用いた授業とで比較実験を行った。129名の児童を多角的に撮影したビデオデータに対してプロトコル解析を行った。 授業での課題が1年生向けのものであったため、1年生 (2クラス) を対象にデータを再分析を行った。結果として、タブレットを用いた授業では深い考察が促進されない結果が導かれた。その要因は、タブレットでは意図しない振る舞いが発生して児童の集中が阻害されること、考えることよりも絵を描くことに専念してしまいがちなこと、ペア作業でのコミュニケーションが促進されないことが明らかになった。これをもとに、子どもに集中してじっくり考えさせるのは紙の資料のほうが望ましいという紙とデジタルの使い分けの指針を導いた。 その結果は、電子情報通信学会研究会として発表し、詳細を学生の卒業論文としてまとめた。現在、英文ジャーナルに投稿中である。 〇 小林 眞夢, 長谷川 彩乃, 安藤 裕, 小泉 健輔, 澤田 麻衣子, 柴田 博仁: 初等教育でのタブレット端末の評価: 算数授業での行動ログ分析. 電子情報通信学会, 信学技報, Vol.123, No.226, ET2023-21, pp.19-26 (2023年10月). 〇 小林 眞夢: 初等教育でのタブレット端末の評価 ―算数授業での行動ログ分析―. 群馬大学 社会情報学部 2023年度卒業論文 (2024年2月).
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一昨年度、ビデオデータの分析に予想以上に時間がかかり、成果発表が遅れていた。しかし、現在はデータ分析を終え、国内研究会にて研究成果を発表した。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、英文ジャーナルに研究成果を投稿中である。授業でのタブレット端末の利用の問題点を適格に裏付ける分析結果が得られている。デジタル教科書の導入の判断に重要な示唆を与える研究と考えるため、英文論文の発表のタイミングで記者会見の実施を検討したい。
|