研究課題/領域番号 |
22K02881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
三橋 郁 帝京大学, 理工学部, 講師 (60553211)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動作訓練ゲーム / 職業訓練 / XR(VR/AR) / カン・コツ / 技能の視覚化 |
研究開始時の研究の概要 |
実験や実習などの技能を有する職業動作訓練は,職業動作のカンやコツなどは教え伝え難い.職業動作訓練機材が開発されているが,仮想あるいは拡張空間内で実物と同等の訓練を行う再現シミュレーターである.本研究では,デジタルデバイスを活用して技能を視覚化し,技能を効率良く習得させる職業動作訓練ゲーム教材を開発する.始めに,汎用型モーションセンサを用いた職業動作訓練ゲームの種類の適合性と訓練効果を明らかにし,訓練に適したゲーム種類を選定する.その後,訓練ゲームによる視点変動,カン/コツの視覚化の有効性を明らかにし,指導負担削減,技能習得速度向上などの指導者および訓練者からの相互訓練効果を明らかにする.
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研究実績の概要 |
実験や実習などの技能を有する職業動作訓練は,職業動作のカンやコツなどは教え伝え難い.職業動作訓練機材が開発されているが,仮想あるいは拡張空間内で実物と同等の訓練を行う再現シミュレーターである.本研究では,デジタルデバイスを活用して技能を視覚化し,技能を効率良く習得させる職業動作訓練ゲーム教材を開発する. 始めに,汎用型モーションセンサを用いた職業動作訓練ゲームの種類の適合性と訓練効果を明らかにし,訓練に適したゲーム種類を選定する.モーションセンサを用いた職業動作訓練ゲームを構築するためには,ゲームエンジンソフトウェアにてCGモデルとゲームルールを作る必要がある.しかしながら,各職業動作訓練に対するゲームの種類によって訓練効果が異なると予想される.そこで,各動作に対して適するゲームの種類を調べる.構築するゲームの種類によって,タイミング,段取り,リズム,位置合わせなどの目的の動作を習得できることを期待する.次に,動作訓練ゲームに競技制や協力制を導入することにより,実技訓練以上の興味や関心を持たせる可能性を期待する. その後,訓練ゲームによる視点変動,カン/コツの視覚化の有効性を明らかにし,指導負担削減,技能習得速度向上などの指導者および訓練者からの相互訓練効果を明らかにする.訓練者の心理的影響や訓練効果だけでなく,指導者の指導負担,関心度合い,授業の進捗速度などにも相互に利益効果があると予想している.指導負担削減および指導進捗速度に対して訓練者の技能習得速度が変化すると言われるが,訓練ゲーム導入によって,従来の実技と比べて技能習得速度の維持や向上が期待できる可能性がある.そこで,訓練ゲーム導入による指導者側と訓練者側の訓練効果の変化を調べ,訓練ゲームの有効性を明らかにする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の各動作に対して適するゲームの種類の調査では,ゲームの種類とその効果を明らかにすることができた.旋盤,フライス盤,および溶接作業の一部を明らかにすることができた.特に,溶接作業はビードの軌跡を表現することにより,職業技能者のカンとコツを数値することを可能とした.溶接作業に得点と時間を表示させ,複数者で競い合う競技性を用いることで,訓練効果を向上させることができた.旋盤作業では,実際の旋盤作業と組み合わせてモーション訓練ゲームを導入することで,カンとコツへの理解が促進することを数値的に明らかにすることができた. 2023年度の複数の作業視点とカン/コツの視覚化の方法の有効性の調査では,整頓ゲームを一例として,溶接作業と同様に,整頓作業に必要なカンとコツの数値化・可視化を可能とした.Head Mounted Display(HMD)を使用することにより,多視点や視界が届かない視点の表現も可能とし,2022年度同様に得点と時間を表示させることで,競技性と整頓への促進も明らかにすることができた.整頓作業は片付けるリズムやタイミングも可視化することを可能とした. 上記2ヶ年の結果により,2024年度の指導者および訓練者からの相互訓練効果の一部も明らかにすることができているため,2024年度中にはすべての結果を得られることを期待している.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度,2023年度の結果に基づき,2024年度は指導者および訓練者からの相互訓練効果を明らかにする.職業動作訓練ゲームを職業訓練の現場で試行し,有効性を総合的に評価する.訓練者の心理的影響や訓練効果だけでなく,指導者の指導負担,関心度合い,授業の進捗速度などにも相互に利益効果があると予想している.指導負担削減および指導進捗速度に対して訓練者の技能習得速度が変化すると言われるが,訓練ゲーム導入によって,従来の実技と比べて技能習得速度の維持や向上が期待できる可能性があるため,訓練ゲーム導入による指導者側と訓練者側の訓練効果の変化を調べ,訓練ゲームの有効性を明らかにする.具体的には,整頓作業を一例として,通常の指導による指導負担と訓練効果,訓練ゲーム導入による指導負担と訓練効果を数値的に評価し,指導負担の軽減と訓練効果の向上の同時に達成できるのかを調査する予定である.
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