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通史授業の論述データと関連する現代のニュースを推薦できるシステムの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K02884
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09070:教育工学関連
研究機関東京大学

研究代表者

池尻 良平  東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 客員准教授 (40711031)

研究分担者 澄川 靖信  拓殖大学, 工学部, 助教 (70756303)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード教育工学 / 歴史教育 / 学習科学 / AI / 類推 / 歴史学習 / 学習支援システム / ICT
研究開始時の研究の概要

歴史教育の先行研究では、「系統的な通史授業」と「現代と関連するテーマ学習」を両立させるカリキュラム編成が模索されているが、効果的なものは確立されていない。そこで本研究では「通史授業における各授業の内容や高校生の関心から、現代に接続させられる方法はどのようなものか」という問いに取り組んでいる。この問いに対し、本研究ではAIの技術を活用しながら、通史授業中の高校生の論述データをもとに、各授業と関連する現代のニュースを推薦することで、歴史と現代の関連性をリアルタイムに学習できるシステムを開発する。

研究実績の概要

2023年度は、通史授業における歴史の因果関係の構造と類似している現代の因果関係を検索できる学習用のウェブアプリ「歴史スパイラル」をデザインし、高校生を対象に評価した。
デザインについては、歴史的類推の先行研究を踏まえ、歴史の因果関係、関心のある領域(政治・経済・文化・社会)、学習者が考える現代との類似性の3つを入力できる画面をデザインした。その後、昨年度に開発した、通史授業における歴史の因果関係の構造と類似している現代の因果関係を検索できるアルゴリズムに基づき、ウェブニュースのグループを類似度順に提示し、ウェブニュースのURLを表示する画面をデザインした。最後に、歴史と現代の共通点と相違点を入力した上で考察させる画面をデザインした。上記のウェブアプリは、学習者の生活に合わせてすぐに使用できるよう、スマートフォン向けにデザインした。
次に、高校生4名を対象に開発アプリを使用してもらい、事前事後の質問紙と事後インタビューを通して形成的評価を行った。その結果、1) アプリを使う前と比べて類似していると感じる現代のニュースが増え、2) 各自の関心に沿って異なる現代のニュースを提示することができ、3) 現代のニュースへの興味が高まり、4) 歴史の授業の受け方や見方にも良い影響が出ていたことが確認された。一方で、インタフェースの課題も発見し、これを踏まえてウェブアプリのデザインを修正した。
今年度の研究結果は、日本教育工学会2023年秋季全国大会、第72回全国社会科教育学会研究大会で発表している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2023年度は、歴史的類推の先行研究に基づき、学習を促進するウェブアプリをデザインできた。さらに、高校生を対象にした形成的評価も行い、概ね本研究が狙う学習効果を誘発できていたことを確認した。また、課題を踏まえた修正も行った上で、データ分析中ではあるものの、高校生5名を対象に、ウェブアプリを使用する期間を2週間から1ヶ月設けた評価も行っている。以上より、順調に進捗しているといえる。

今後の研究の推進方策

期間を2週間から1ヶ月設けた高校生5名のデータを分析し、歴史の授業と現代のニュースを関連させた考察や学習活動に関する様相と学習効果を明らかにする。また、それを踏まえた最終的なデザインを行い、高校教員の協力を仰ぎつつ、より多人数での評価を実施する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Design and Formative Evaluation of an AI Application to Search for Recent News Similar to the History Studied in Class2024

    • 著者名/発表者名
      Ryohei Ikejiri, Yasunobu Sumikawa, Ryo Yoshikawa
    • 学会等名
      International Conference of the Learning Sciences Annual Meeting 2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 系統的な通史学習と現代のテーマ学習を両立させるAIを用いたWEBアプリのデザイン2023

    • 著者名/発表者名
      池尻良平,澄川靖信, 吉川遼
    • 学会等名
      日本教育工学会2023年秋季全国大会(第43回)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 系統的な通史授業と現代のテーマ学習を授業ごとに両立させるAIフォロー型カリキュラムの提案 ー歴史の論述から関連ニュースを検索できるシステムを用いてー2023

    • 著者名/発表者名
      池尻良平,澄川靖信, 吉川遼
    • 学会等名
      第72回全国社会科教育学会研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Present Causal Relationship Retrieval for Historical Analogy2023

    • 著者名/発表者名
      Kenta Matsumaru, Ryohei Ikejiri, and Yasunobu Sumikawa
    • 学会等名
      the 25th International Conference On Human-computer Interaction
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 歴史的類推を促すための現代の因果関係検索学習支援システム2023

    • 著者名/発表者名
      松丸健太, 池尻良平, 澄川靖信
    • 学会等名
      情報処理学会第85回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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