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実践語学力の学習支援に向けた生体情報の同期解析を用いた文章レベルの理解状態の評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K02885
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09070:教育工学関連
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

秋元 頼孝  長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (00555245)

研究分担者 中平 勝子  長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80339621)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワード脳波 / リスニング / 文理解 / 英語リスニング / 単語再生課題 / 外国語 / 文章 / 理解状態 / 同期解析
研究開始時の研究の概要

これまでの外国語理解の研究では単語や単文レベルを対象としたものが多く、現実世界で他者と協働する場面で必要となる実践的な(文章レベルの)語学力に関する研究は不十分である。また、理解状態には、問題なく内容を理解できている、なんとか内容を理解(推測)できている、全く内容を理解できていないなど様々な状態があり、それらを切り分けることは学習支援に有用である。そこで、本研究では、実践的な語学力や外国語の理解状態が、脳波や視行動などの生理指標にどのように反映されるのかを明らかにすることを目的として、大学生・大学院生を対象とする3つの脳波・視線同時計測実験を実施する。

研究実績の概要

英語音声リスニング時の脳波計測実験について、昨年度は聞き取った音声をキーボード入力するという手続きで実験を行ったが、今年度は聞き取れたときにキーを押し続け、聞き取れなかった時にキーを話すという手続きに変更を行って、再度実験を実施した。その結果、昨年度の実験と比べて得られた脳波データに混入したアーチファクトが大幅に激減し、解析可能な脳波データが得られるようになった。しかしながら、解析の結果、英語音声が聞き取れたときと聞き取れなかったときの脳波と音声刺激の同期性に有意な違いが認められず、英語音声をリスニングできている時の方が脳波と音声刺激と同期性が高くなるという結果は得られなかった。当初の仮説と異なる結果となった理由として、仮説が間違っていた可能性の他に、実験刺激や被験者の英語レベル、解析手法、使用した脳波計の性能が影響している可能性が考えられるため、次年度も引き続き検討を行う予定である。
文章理解時の脳波計測実験については、その予備段階として文理解時の脳波計測実験を行った。実験では、最初と最後の文字以外の単語内の文字の語順を入れ替えても読みがあまり阻害されないという現象(タイポグリセミア現象)を用いて、先行する言語刺激の意味が理解できずその部分の理解を「保留」したまま後続の言語刺激の理解に進むような状況を生じさせ、その際の脳波計測を行った。現在、単語の認知に関わるN170、単語の検索に関わるN400、理解した内容の統合に関わるP600およびそれらの関係に着目して脳波データの解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リスニング実験については、実験手続きを変更することで解析可能な脳波データが得られるようになった。文章理解の脳波計測実験の準備状況についても、その予備段階として文理解の脳波計測実験を実施済みで、データ解析の段階にある。これらを総合的に考えて「おおむね順調」と判断した。

今後の研究の推進方策

これまでの実験では、言語情報をうまく理解できた時の方が脳波と言語刺激との間の同期が高くなるという仮説を支持する結果が得られていないが、現時点では仮説が間違っていたのか、それとも仮説は正しいが実験手続き等に問題があるため仮説を支持する結果が得られていないのかが不明な状況である。そのため、同期の解析手法を再検討したり、被験者の英語レベル別に分けてデータの再解析を行ったり、実験刺激や実験手続きを変更した上で再実験を行い、引き続き仮説の検証を行う予定である。
一方、これまでの実験手続き等に問題がなく結果が事実であったとすれば、当初の仮説が間違っていたことになる。この可能性も考えて、言語刺激と脳波の同期以外の指標(現時点での候補は視線パターン)で、英語音声リスニングが上手くいっているかどうかを評価する方法を検討する予備的実験についても検討したい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Examination of distraction and discomfort caused by using glare monitors: a simultaneous electroencephalography and eye-tracking study2023

    • 著者名/発表者名
      Akimoto Y, Miyake K.
    • 雑誌名

      PeerJ

      巻: 2023 ページ: 1-21

    • DOI

      10.7717/peerj.15992

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 英単語の難易度の違いを反映する脳波の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      秋元頼孝, 五十嵐翔琉, 富澤拓哉, 渡邊怜
    • 雑誌名

      長岡造形大学研究紀要

      巻: 21 ページ: 10-12

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Discrimination Ability Between L and R Speech Sounds among Japanese Graduate Students2023

    • 著者名/発表者名
      Akimoto Y, Miyake K, Suzuki R.
    • 雑誌名

      Nagaoka Institute of Design Bulletin

      巻: 20 ページ: 22-26

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] Analysis of Electroencephalogram Associated with Inference of Learner's State of Understanding in the Remote Learning Environment2023

    • 著者名/発表者名
      Akimoto Y, & Suzuki R
    • 学会等名
      The 14th biennial meeting of the society for applied research in memory and cognition
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Effects of glare or anti-glare monitor on electroencephalography responses during text reading2023

    • 著者名/発表者名
      Miyake K, & Akimoto Y
    • 学会等名
      The 14th biennial meeting of the society for applied research in memory and cognition
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 英語能力の違いが英語リスニング課題における日本語字幕の効果に与える影響の検討2023

    • 著者名/発表者名
      増田泰人, 秋元頼孝, 中平勝子
    • 学会等名
      教育システム情報学会2022年度学生研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] グレア・ノングレアモニタの違いが読みやすさに与える影響の脳波による検討2023

    • 著者名/発表者名
      三宅圭音, 秋元頼孝, 中平勝子
    • 学会等名
      教育システム情報学会2022年度学生研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 簡易脳波計の現在地―脳科学の知見を語彙指導にどう活用するか―2022

    • 著者名/発表者名
      秋元頼孝
    • 学会等名
      外国語教育メディア学会関東支部第148回(2022年秋季)研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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