研究課題/領域番号 |
22K02886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
益子 典文 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10219321)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 教師教育 / 教員研修 / ICT活用 / 学力調査 / 授業改善 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
現職教師が経験から導出し蓄積する授業設計に関する実践的知識は,豊かで柔軟な知識であることが指摘されている。その一方で,授業におけるICT活用や学力調査結果に基づく授業改革など,自らの実践に対するイノベーションの要求については,多様な情報提供,多くの教員研修機会の提供にもかかわらず,その適応は十分ではない。そこで本研究では,現職教師が自らの既有実践的知識と授業イノベーション情報の関係を理解し,意味づけることが可能な研修教材開発の方法を提案し,その効果の検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,現職教師が自らの既有実践的知識と授業イノベーション情報の関係を理解し,意味づけることが可能な新しい研修教材「推測型研修教材」開発の方法を提案し,その効果の検証を行うことである。 研究1年目である令和4年度は,「授業イノベーション情報への意味づけを可能にする推測型研修教材の開発」「教師の授業設計に関する実践的知識の変容条件に関する実証的研究」2つの研究を遂行した。まず「授業イノベーション情報への意味づけを可能にする推測型研修教材の開発」では,すでに開発し利用している〔ICT活用授業〕〔学力調査授業改善〕の推測型研修教材を分析したところ,回答者(学生,現職教員)が持つ実践知(既有知識)を当該授業場面に投影可能な素材および課題設定が有効であり,それ故に投影される実践知が豊かであれば多様かつ妥当な推測が遂行されるであろうことを仮説として設定した。その上で,複数の新教材を開発するとともに,講義や研修において教材として活用し,学生を対象として調査を行った。次に「教師の授業設計に関する実践的知識の変容条件に関する実証的研究」では,〔学力調査授業改善〕のテーマにおいて,授業設計に関する教師の実践知を活用しながら,学力調査結果情報の読解方法を理解する研修プログラムを設計し,小中学校の主任級の教師を対象とした試行を行った。試行の結果,実践知を活用する活動を組み込むことの成果が認められる一方で,研修に扱う題材(コンテンツ)の影響,例えば中学校教師は研修で扱う題材教科によって固有の授業改善と認識してしまうことが確認された。 新教材による学習者の反応分析や効果的な推測を促す条件について,さらに検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目に実施した学生の反応のデータ分析が,多様な自由記述の文章であるために遅れている。また,当初予定していた教員研修でのデータ収集は,データ収集を想定していた教員研修がオンライン実施であったため,研修担当者と相談の上,データ収集を行わないこととした。そのため,現職教師のデータ収集も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目は,学生のデータ分析を完了させるとともに,現職教師のデータ収集は,大学院の対面講義でのデータ収集や,特定のベテラン教師を対象としたインタビュー調査など,調査方法を検討して実践知の投影水準の設定を進める。
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