研究課題/領域番号 |
22K02898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (50387479)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 第二言語習得 / リーディング / 脳科学 / リーディング指導 / 音読 / ストラテジー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、英語の音読学習時、事前に内容を理解することがリーディング力(語彙力、読解力、読解速度)向上に効果的であることを、脳科学の立場から明らかにすることが目的である。事前に内容を理解する音読法が事前に内容を理解しない音読法より学習効果が示されれば、Eye-Mouth読みの問題点を解決する効果的なリーディング教授法として英語教育の立場に加え脳科学の立場から提案できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、英語の音読学習時、事前に内容を理解することがリーディング力(語彙力、読解力、読解速度)向上に効果的であることを、脳科学の立場から明らかにすることが目的である。そのために、大学生を対象に、事前に①内容を理解し音読する方法(内容理解・音読法)と②内容を理解せず音読する方法(音読・音読法)を一定期間継続し、学習前後のリーディング力と脳活性状態を比較する。従来の研究では、門田(2016)や川嶋(2016)が、音読は読んだ内容を長期記憶に蓄え、脳が活性化し読解を促進すると報告している。一方で、Tovani(2000)、Gabrielators(2002)、望月(2017)は、音読できたとしても内容が理解できず(Eye-Mouth Reading: EM読み)、学習効果がでない場合があると問題点を指摘している。つまり、音読中のEM読みについて、音読を繰り返しても内容が理解できず、効果が得られない。理由としては、課題に注意が適切に向けられていないからと解釈できる。現在、こうした学習者のため効果的な音読教授法が求められている。EM読みの解決策として、事前に内容を理解しておけば、注意の容量配分において、音読時に単語や文の処理が自動化され、英文の内容に注意を向けることができるのではないか。その結果、読んだ内容を記憶にできリーディング力が向上し、学習者の脳活性状態も最適になるのではないか。本研究において、内容理解・音読法が音読・音読法より学習効果が示されれば、EM読みの問題点を解決する効果的なリーディング教授法として英語教育の立場に加え脳科学の立場から提案できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ほぼ予定どおりに、以下の点について実施した。1)英語教育研究、音読、言語と脳科学分野の先行研究レビューを行った。Partanen , Siegel , & Giaschi 2019, Hopp, 2022, Liu, 2023, Manoharan & Ramachandran 2023)2)学会に出席し言語と脳に関する資料収集や議論した。3)先行研究レビューおよび学会における情報を基に、学習教材の検討 課題(学習前後の読解力測定用作成、提示方法、提示手順の確認をした。4)音読学習期間や指示を検討した。 5)学習者へのアンケート・インタビュー内容を検討した。6)実験承諾書作成した。ただし、実験方法については再度検討をすることとして、実験を延期した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究目的を達成するために、大学生(初級・中級学習者:TOEIC300-600点)約30名を対象に内容理解・音読法と音読・音読法を実施する。手順は次の通りである。①内容理解-音読群15名と音読-音読群15名に分ける(英検2級の問題を使用しリーディング力を均等にする)②3ヶ月間、内容・理解音読群は、未知語を辞書でしらべたり、指導者に質問したりして音読前に英文の内容を把握する。音読・音読群は、音読前に内容を把握せず音読をする。③音読学習前後で語彙力、読解力(英検2級練習問題を使用しオンラインテスト)、読解速度(WPM:word per minute, 1分間に読む語数)、NIRSによる脳血流量から脳活性型を調査しそれぞれ変化を比較する。④実験参加者は各自で教材(大学図書館設置の多読教材等から学習者の習熟度より少し高いレベル)を選択して音読学習をする。⑤学習中は、学習状況(日時、ページ数、文字数、読んだ内容要約、疑問点など)をオンラインで報告する。⑥指導者は学習状況をチェックし問題点があれば解決するよう指導する。⑦理解状況、EM読みの現状は、アンケート、インタビューで把握する。
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