研究課題/領域番号 |
22K02901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小柳 和喜雄 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00225591)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 1人1台環境 / アセスメント / 教育データ利活用 / 教員研修 / 教員養成 / 指導と評価の一体化 / 教師教育者の専門的な学び / 個別最適な学び / 教師教育者 / 小中一貫教育 / データ駆動型研究 / Professional Development |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1人1台環境を生かし学習指導と学習評価を一体的に行う研修プログラムの調査及び開発そして運用評価を行い、教師、およびその指導や支援に関わる教師教育者の専門性や専門的力量を再考する枠組みを明らかにする。規模とICT活用に関する研修経験が異なる2つの自治体が、集合研修と校内研修をどのように連動すると教員や児童生徒のアセスメントリテラシーの習得を促す事例を生み出すか、その情報を定量的、定性的な方法で収集し、分析と評価を行う。そして得られた情報から教員研修や教員養成の内容に提供できる研修資源やプログラム案を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、GIGAスクール環境下で、学習指導と学習評価を一体的に行うために、効果的にデータの利活用を行い、教員のICT活用指導力の育成を行っている事例を対象とし、運用評価を行い、教師、およびその指導や支援に関わる教師教育者の専門性や専門的力量を再考する枠組みを明らかにすることを目的としている。 2年目は、研究計画として考えていた次の3つを遂行した。1つ目は「Covid-19以降のTPACK研究(教師の技術に関する教育学的内容知識)、およびCovid-19以降のTeacher Educatorの専門性に関する研究についての国際的研究の動向と国内のICTに関する教員養成カリキュラム改革について比較検討した。2つ目は「1人1台環境下にある大学の講義内で、問いと考えの表出やコミュニケーション過程と課題設定の関係を分析し、教員研修に活かせる知見を探索した。3つ目は「1人1台環境を用いた学習指導と学習評価の連動(データ利活用等)に関する研修内容と方法について、2つの市の協力を得て調査を行った。 結果として、1つ目については、Technology IntegrationからTechnology Infusionへ、その見方や考え方を変える米国の事例と日本のICTに関する教員養成カリキュラム改革について比較検討し、その類似点と差異点を明らかにし、論文としてまとめた。2つ目に関しては、1人1台環境下にある大学の講義内で、問いと考えの表出やコミュニケーション過程と課題設定の関係を分析し、教員研修に活かせる問いの3つの特徴を明らかにし、論文としてまとめた。3つ目に関しては、校内研修で「1人1台環境を用いた学習指導」は進められているが、「1人1台環境を用いた学習評価の連動(データ利活用等)」に関してはあまり進められていないことが明らかになった。教員には別物という意識があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国際学会で査読付きの研究発表を3つ行うことができ、そして国内の学会でも研究発表を3つ行うことができ、研究が計画以上に順調に進んだ。結果、国際学会誌に本研究成果に関する論文(教育データ利活用による小中一貫教育に取り組んだ自治体の事例に関する論文)が採録され、日本の学会誌にも英語論文が採録された(GIGAスクール構想が教育の平等性と公平性にどのような意味を持つかに関する論文)。また国際的な成果をまとめた編著にも、章の論文(ある自治体の教員研修における1人1台端末を利用した学習指導と教育データ利活用についての教員の意識に関する論文)として本研究の成果が採録された。また大学の講義を対象にした調査研究も進み、その成果を論文(教員養成で1人1台端末を利用する講義において,問いが学生の学びの成果にどのような影響を与えるかに関する論文)としてまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は、大学ベースと学校ベースの教師教育者(Teacher Educator)の資質能力、役割、研修の進め方についてより調査を進める。教育工学の研究知見である技術に関する教育学的内容知識(TPACK: TechnologicalPedagogical and Content Knowledge)とデータ利活用の研究(Data literacy and assessmentliteracy for education)をクロスさせ、教師教育に関わる養成と研修の研究知見として整理する。そして教員養成における取組と自治体の研修モデルケース(優れた取組、一般的な取組、課題が残る取組)の知見の整理を行い、研究成果の報告を行う。国内外での学会、研究会で知見の発表を行い、グローバルな研究課題に対しても知見の提供と研究交流を進める。
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