研究課題/領域番号 |
22K02905
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
田中 晶 東京工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (20578132)
|
研究分担者 |
丸山 充 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (60636489)
漆谷 重雄 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 教授 (70442522)
辻井 利昭 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (60344256)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ICT教育 / ネットワークシステム / モバイルネットワーク / 分散コンピューティング / プログラミング |
研究開始時の研究の概要 |
主に15~22歳前後の学生教育に資する,端末技術からクラウドに接続するためのWAN技術領域までカバーして実践力を磨く創造的ICTデジタル教育プラットフォームを完成する.学習者は,分散共有メモリでリアルタイムに情報共有された,多様な機能を持つ多数の無線/有線マルチホップネットワークを用い,自らの考案をICTシステムとして設計する.ガイドツールやエミュレータで可視化し,初学者でもネットワーク設計,GPSを用いた移動体制御や環境情報処理のIoT制御に取り組め,高精細映像伝送,高速伝送システムやNFVサーバにより,どこからでも実用ネットワーク・サーバ技術を学べる教材に発展させる.
|
研究実績の概要 |
これまでに開発した様々な機能をもつ多数の無線/有線マルチホップネットワーク(小規模ネットワーク)を,再構成可能デバイス(FPGA)で設計されたマルチホップ分散共有メモリと学術情報ネットワーク(SINET・モバイルSINET)で結合してリアルタイムに共有し,学習者が自らの考案をICT(情報通信技術)システムとして設計・評価する環境を提供する.R4年度は, (1)小規模ネットワークの相互接続及びモバイルSINETを介した接続, (2)これまでに設計したネットワーク・プログラミングトレーナのネットワークサーバへの実装, (3)実用化実習のためのa)高精細映像通信の適用,b)GPSの実装,c)ネットワークの拡張,d)センサ/群ドローン・ロボット/データベース/トレーナのネットワーク上での連携,を行った.また,遠隔エミュレーションと制御ネットワークとの同期,分散共有メモリ上でのプロセッシング機能の拡充,等も行った. 初学者から実用設計水準までを対象としており,プログラミングツールの一部を小学校プログラミング学習向けに切り出して実地使用し,多数同時利用の動作確認等を実施した. これらにより,小規模ながら,実習に使用可能な,有線・無線ネットワーク,環境センサネットワーク,データベース応用システム,分散化を用いたネットワークセキュリティ,群移動体制御ネットワーク,分散コンピューティング,の機能が揃えられ,全国規模での実習も行えるSINETによる広域化も可能となった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最近の半導体製品などの流通難や高騰の影響で輸入品を含むいくつかの部材や製品入手に時間がかかり,代替品を用いたり規模を縮小して設計し,また,R4年度途中から研究代表者所属の学科棟の改修工事が開始され,研究室・実験環境の往復移設・再構築を行った.そのため,研究発表などの年度の計画の一部の時期を入れ替え,応用検討を先行するなどして,システム全体を通した進捗の評価は実験環境を整えた上で行うこととした.
|
今後の研究の推進方策 |
R4年度にサーバに実装したネットワーク・プログラミングトレーナで,無線/有線マルチホップネットワーク(小規模ネットワーク)を操作可能にする.その上で,学習者がSINET・モバイルSINET(閉域網)を通してトレーナのガイドに従いながら簡単なネットワーク設計を行える,実習教材のパイロット版を設計する.トレーナと接続するネットワークは,これまでに設計済み中から,次に示すa)b)c)d)を予定している. a)マイコンベースの三種類(最適ルーティングで接続,疑似的に無線環境を設定できる,セキュアな高精細映像通信を行う),b)Android等携帯端末ベースの環境センサネットワーク,c)高精度測位に基づく群ドローン・ロボット制御ネットワーク,d)再構成可能デバイス(FPGA)による分散共有メモリ・分散コンピュータ 実用通信である高精細映像通信の実習が可能であることを確認するとともに,併行して,小規模ネットワークが備える,GPS,環境センサデータ解析機能やデータベースを組み合わせて設計する,アプリケーション実習のモデルケースを用意する.例として,防災ネットワークやスマートシティの要素技術の準備を進めている. 発展的な研究指向の学習にも応えるため近年のネットワーク動向にも対応し,i)ルータ等の既成専用機器を用いずともネットワーク設計実習が行えるよう,教材サーバのNFV化,ii)分散共有メモリを用いた分散コンピューティングの基礎習得環境の組み込み,も進める. 初心者向けプログラミング用に一部を切り出し小学校で行ってきたシステムの実地テストは,難度を上げ切り出し部分を拡充して,中学生~高専新入生を対象に行う. R5年度は,主にネットワーク間接続や学習実施例の整備,R6年度は,主に実用化試験や発展的用途に向けた設計を予定している.
|