研究課題/領域番号 |
22K02914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤中 透 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (90190058)
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研究分担者 |
後藤 孔 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 講師(任期付) (80825943)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プログラミング教材 / 情報教育 |
研究開始時の研究の概要 |
コンピュータのプログラミングが身近なものとなり,小学校におけるプログラミング教育の必修化とともに,中学校,高等学校でもプログラミング教育の重要性が増している。また,さまざまな物をインターネットに接続して利用する機会が増えている。ただし,学校のコンピュータ環境では運用上の制約から外部機器を接続して制御動作を学習するような授業を実施するのが困難な場合も多い。本研究では安価なマイクロコントローラを用いてソフトウェアとハードウェアを組み合わせたプログラミング教材を開発し,コンピュータ運用上の制約などを含む学びの環境を考慮した上で,児童・生徒が気軽にプログラミングを体験できるように工夫する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,安価なプログラミング教材を開発し,コンピュータ運用上の制約などを含む学びの環境を考慮した上で,児童・生徒が気軽にプログラミングを体験できるように工夫することである。 新たなソフトウェアのインストール作業などが困難な環境でも利用可能なソフトウェア教材の開発を進めた。そのための手法としてElectronを用いることにより,教員などによるインストール作業を不要としている。教材の具体例としてWebページの作成に注視し,Webページに画像を含める際の使い勝手を改善している。さらに,本年度はWebページの表現形式としてブロック形式とテキスト形式を単に併用するだけでなく,それぞれの形式による表現や操作を並列的に捉え,両者の表現を瞬時に相互変換可能とするための機能を追加している。 これにより,児童や生徒などはまずブロック表現を用いてプログラミングの学習を始め,その後の状況に応じてテキスト表現によるプログラミングに移行したり,両者を比較して対応関係などの理解を深めることが容易になる。また,指導者としては,一律にブロック表現からテキスト表現に移行する形で指導を行う必要がなく,個別の理解度に応じた対応が容易となる。 本研究ではWebページの作成をプログラミング教育の観点から取り扱っており,Webページの記述に用いられるマークアップ言語であるHTMLを広い意味でプログラミング言語の一種と捉えているが,より狭い意味でのプログラミング言語として,たとえばJavaScriptを取り扱う教材についても検討を進めている。今後は,特定の言語にとらわれない形でプログラミング教育を取り扱うとともに,当初の予定に沿ってソフトウェアとハードウェアを組み合わせた教材の開発に発展させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学びの環境に適合した形でソフトウェアとハードウェアを組み合わせたプログラミング教材を開発することを目指しているが,昨年度の研究で確認された,ソフトウェアに関する制約が大きいことに関する対応が当初の予想よりも大きく,そのための工夫を引き続き行っている。結果的に,ハードウェアとの組み合わせに関する部分については構想の段階にとどまっているが,その代わりにソフトウェアに関して児童や生徒の段階的な学習を助けたり,それを指導する教師をも助けたりするための工夫を行い,重要な機能を追加することが可能となった。 具体的には,Webページの学習を助けるソフトウェア教材において,ブロック表現とテキスト表現を瞬時に相互変換して表示する機能を有することにより,ブロック表現とテキスト表現の学習や指導をより密接に関連づけて取り扱うことが可能となった。また,この機能を実装する際にも,先に開発したとおりインストール作業が不要な形で利用できるという特徴を維持しており,学校の校内ネットワーク環境でも同様に利用可能である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はソフトウェアだけでなく,ハードウェアとの組み合わせを意識した上で,当初の予定に沿ってソフトウェアとハードウェアを組み合わせたプログラミング教材を開発するための検討を進める予定である。また,これまではWebページエディタを教材の具体例として研究発表を行ったりしてきたが,今後はそれ以外にも広い範囲のプログラミング教材を対象として検討を進める予定である。また,最近は新たな仕組みをもつソフトウェアや,より安価で高性能な新しいハードウェアなどが以前よりも手軽に利用できるようになっているので,これらを実際に教材として利用するための検討を行う予定である。 さらに,これまでは小学校,中学校,高等学校の学校教育を主眼として考えてきたが,最近は大学生や社会人に対する教育環境も変化しており,本研究でも視野を広げて,より広い学習対象者および指導者を意識することが重要と考えられる。そのような視野でプログラミング教育を捉えて検討を進め,それが結果的に児童や生徒のプログラミング教育に有効な教材の開発につながることを目指す予定である。
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