研究課題/領域番号 |
22K02950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 大妻女子大学 (2023) 埼玉県立大学 (2022) |
研究代表者 |
四ノ宮 美保 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (60291069)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 化学 / 理数探究 / 環境 / 研究倫理 / 化学教育 / 文理融合 / 教育コンテンツ開発 |
研究開始時の研究の概要 |
環境を含む科学技術政策等の意思決定に参加する市民には、地球環境に配慮し且つ過去の化学兵器の利用等による化学の負の側面への理解を深めた人間性と高い倫理観が求められる。一方で、急激に変化する社会情勢に対応できる市民の育成手法として、文理が融合した統合的な思考力を修得するための教育が重要視されている。本研究では、化学を軸に環境、歴史、倫理、法律などへのつながりを示した大学教養科目レベルの教育コンテンツを開発し、授業や市民公開セミナーなどにて実践使用する。また、探究型授業を行う上での研究倫理に関する教育コンテンツを開発し、これらの普及・浸透に向けての活動を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①化学を軸に環境、歴史、倫理などへのつながりを示した大学教養科目レベルの教育コンテンツ、②探究型授業を行う上での研究倫理に関する教育コンテンツ、を開発し普及に向けての活動をすることである。 研究計画の2年目に当たる令和5年度は、学習指導要領改訂に伴い昨年度及び本年度から高等学校で新たに使用されている「化学基礎」(5社12冊)と「化学」(5社8冊)の検定教科書を対象として、環境、歴史、倫理に関する記載の調査を行った。一方で、同教科書における研究倫理の取扱いや研究不正等の事例を記載した書籍について調査した。その結果、「化学基礎」においては、環境・エネルギーに係る内容に関し、浄水場の化学、原油の分留、燃料電池などが共通しており、SDGs、COD、プラスチック問題などの項目も多く、化学が果たす役割だけでなく、化学物質による問題や今後の課題についても取り扱われていた。「化学」は、「化学基礎」に比べて教科書間で取扱い項目により多様性が見られ、環境と歴史を背景とした公害や化学兵器などに触れた化学の二面性について考察する内容を取り入れた教科書も確認された。なお、歴史に関する事項は、化学の諸法則等の発見や新規物質の開発に係る記述が主であった。 一方、両教科書についての研究倫理に該当する記述は、特定不正行為(FFP)のうち盗用に係る引用、著作権が主であり、他の不正に関しては明確には取り扱われていなかった。また、QRPを含む不適切な研究の具体例を示した書籍も出版されているが、内容が高等学校で取り扱うレベルを超えているものと判断した。より充実した探求型授業を行うためには、「理数探究基礎」の検定教科書以外に、科学の二面性や具体的な研究不正事例などをまとめた高校生のレベルに適合した副読本の必要性が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属機関の異動により、新規に担当する授業の準備や研究室の立ち上げなどに時間を要し、一部の研究について予定どおりに進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した高等学校の検定教科書の調査事項の分析結果をまとめるとともに、国内の大学HPで公開されている教養科目(「化学」及び「環境科学」関連科目)のシラバスとカリキュラムマップを資料とし、教授内容と他科目との関連性についての調査をさらに広げ、現状をまとめる。海外の大学に関しても主要な10大学程度を選別して同様の調査を実施し、国内の状況との比較を行う。また、令和5年度に「化学」関連の授業で試行した教育コンテンツに、これまでの調査内容の要素を取り入れ、大学の授業のみならず、公開セミナーで使用・展開し、フィードバックすることにより改良を重ねる。これを基に副読本やビデオ教材などの作成に当たる。
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