研究課題/領域番号 |
22K02963
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鷹野 典子 (甲斐典子) 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30840318)
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研究分担者 |
坂東 昌子 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (20025365)
大野 みずき 九州大学, 医学研究院, 助教 (70380524)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 遺伝リテラシー / 遺伝学 / 科学教育 / STEAM |
研究開始時の研究の概要 |
科学技術の急速な発達により現代の生活の中で遺伝子改変,遺伝解析や遺伝医療が身近になりつつある。一方,日本における遺伝学の基礎知識は,諸外国と比べ不十分であることが指摘されている。これは遺伝子改変技術への過剰な不安感,遺伝疾患者への偏見,さらに近年では新型コロナウイルス感染者への差別,ワクチン接種に対する誤解などにもつながると考えられる。そこで本研究は,Society5.0社会での遺伝リテラシー向上を目指して,初等教育において学際的に遺伝学を学ぶプログラムをSTEAM教育として開発検討を行う。
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研究実績の概要 |
科学技術の急速な発達により現代の生活の中で遺伝子改変、遺伝解析、および遺伝医療が身近にな りつつある。一方、日本における遺伝学の基礎知識は、諸外国と比べ不十分であることが指摘されている。また、「ヒトの遺 伝」リテラシーの欠如は、ヒトの多様性に対する誤解や差別、生命の軽視に繋がる危険性もある。Society5.0に向けた人材育成において、初等教育からの多様性や生命に関する学びは重要である。遺伝学の学習は「生命の継承のメカニズム」「生物の多様性」の学びの中に、数理統計の知識、倫理的知識、社会的知識も含まれ、さらに遺伝子の本体であるDNAの構造は二重らせ んという機能美が備わっており、STEAM教育の構成要素である学際的な学びを含んでいる。そこで本研究は、初等教育におけるSociety5.0社会での遺伝リテラシー向上を目標として、遺伝学をSTEAM教育のプログラムとして開発する検討を行う。 本年度は2022年度に引き続き,国内外の科学教育,遺伝学教育,STEAM教育の現場調査を行なった。「総合的な探求の時間」の授業において、SDGsに関連した課題設定とその解決へのアイデア出しをデザイン教育を用いて行なっている高等学校を訪問した。SDGsはさまざまな現代の課題を含んでおり、それらを解決するには教科横断的な知識が必要となる。遺伝学教育プログラムの学際的な学びとしての開発において、これらの取り組みが参考になると考えられた。探求活動において学びを豊かにするために重要な役割を果たす共感性に焦点を当て、授業後の生徒のアンケート結果から生徒が課題を選択する際の理由や背景を解析することで、課題共感性向上の要因を解析した。その結果、生徒が具体的で身近な事前知識を持つこと、また、課題の重要性や自分自身との関連性を理解させることが、課題共感性向上につながることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では本年度までに教育プログラムを構築し実施する予定であったが,昨年度のコロナ対策の影響で現場調査が不十分であったため,本年度も引き続き調査を行なった。そのため,教育プログラムの構築と実施に必要なデータ収集が遅れ,計画の進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
高等学校の総合的な探究の時間のアンケート調査によって,学生の共感性を向上させるためには,具体的で身近な事前知識を持つこと、また、課題の重要性や自分自身との関連性を理解させることが重要であることが示唆された。これらの結果に基づき,身近な米を題材にして遺伝学の教育プログラムを構築し,京都のNPO法人の親子理科実験教室にて5月と6月に実施する予定である。受講前後で遺伝や変異に対する理解度を測るアンケートを実施し,プログラムの評価を行う予定である。
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