研究課題/領域番号 |
22K02969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
新井 しのぶ 中村学園大学, 教育学部, 講師 (30529970)
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研究分担者 |
岩男 芙美 中村学園大学, 教育学部, 助教 (00781030)
白石 恵里 大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 講師 (20804652)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 幼児科学教育 / SDGs / VR / 科学活動 / 地域環境 / 理科教育 / 科学リテラシー / 幼児教育 / SDGs / 科学的リテラシー / 保育者養成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は幼児と保護者が共に体験しながら活動できるの幼児科学教育(特に生物・地学領域)を通して、身近な地域環境について理解し考えることで、地球の現状を科学的に捉える視点と環境観を獲得すること目的とし、SDGsの重要性を実感できる(主に目標13,15)科学リテラシーの育成を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は幼児と保護者が共に体験しながら活動できる科学教育(特に生物・地学領域)を通して、身近な地域環境について理解し考えることで、地球の現状を科学的に捉える視点と環境観を獲得することを目的とし、SDGsの重要性を実感できる科学リテラシーの育成を目指す。 上記目的達成のため、2023年度は科学教育のプログラムについて検討を行った。当初は、幼児と保護者が共に体験することを目指していたが、対象を幼児から小学生4学年までの範囲に広げるとともに、保護者と共に行う活動ではなく子ども達だけで行う活動に変更した。その理由として、プログラム開発のパイロット調査において生じた2点の検討事項を挙げる。まず、1点目として幼児から小学生4学年までに、小学生理科学習の開始による科学的な思考の変化、そして地域環境についての情報量が大きく変化するため、幼児期の一部の期間だけでなく、経年的に地域環境について理解するプログラムが必要であると考えたからである。2点目として、子どもと保護者が共に科学を体験する活動は、保護者自身が科学に対して関心を持っていなければ、参加への積極性が認められず、全ての子どもを対象としたプログラムになりえない可能性があったからである。これらの検討事項を踏まえ、今年度はプログラムを再考した。 2023年度は、情報や観察結果を利用して仮説(予想)を立てるプログラムを検討した。幼児・児童は「もしかしたら〇〇かもしれない」と考えを述べることはできるが、根拠となる知識等を説明できないことが多い。地域環境についての状況を理解し、未来について予測を立てることができなければ、本研究が目指すプログラムが実現できないと考え、子どもが「仮説」を立てるためのプログラムを検討した。その結果、年齢ごとに仮説内容に差はあるものの、情報や観察結果を利用して探究心をもって仮説を活発に立てる様子が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラムの検討において、問題点が生じたことから研究方法について大幅な修正を行うこととなったが、それにより幼児が情報や観察結果を用いて仮説を立てることができるという新たな知見を得られることができた。具体的には、上記の研究実績にて記すとおりである。来年度以降は、このプログラムをさらに発展させ、地域環境の観察を通して、将来の環境について仮説を立てる活動を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、プログラムの開発、研究成果の報告および他の科学活動との比較検討を行っていく。具体的には、まずプログラムについては、2022年度から科学活動の調査対象としている地域の子ども達を対象とした「キッズアカデミア@東若久」のプログラムとして、教室の中で行う観察や実験を体験したり、そのなかで仮説を立てたりすることを検討してきたが、2024年度からはSDGsの実現に向けた科学プログラムとしての最終段階として地域環境の調査を検討する。子ども達自身が地域環境について観察することを通して、自分事として将来の環境について仮説を立てることを目指す。なお、地域環境の調査については、地域に自生する植物や昆虫を対象とし、それらがどのような生活環をたどるのかを通して、地域環境がどうあるべきかを子ども達が主体となって検討するプログラムとすることを目指す。 また、当初の目的としていた仮想空間(Virtual reality, VR)を利用して(機器の使用対象年齢が10歳以上)、小学生5,6学年を対象としたプログラムを検討する。これにより、幼児から小学生4学年までの地域環境のプログラムに加え、小学生5,6学年がVRを利用した地球環境の観察プログラムを行うことで、科学リテラシーの育成のための長期的なプログラムの検討を目指す。昨年度までに、VR体験を通して小学生児童が、「理科」の実験や観察にVRを使用することへの検討を行ってきた。その結果、小学生児童は短時間でVRの操作性に慣れることができ、仮想空間での体験に関して不安を感じる児童はいなかった。2024年度は、地球環境の観察プログラムについて、既存の配信動画やアプリについてその有効性を検討する。
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