研究課題/領域番号 |
22K02977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
奥本 素子 北海道大学, 大学院教育推進機構, 准教授 (10571838)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 科学技術コミュニケーション / STEAM / アート / マルチモーダル思考 / 問い |
研究開始時の研究の概要 |
STEAM教育(以下、STEAM)におけるアートの機能として、マルチモーダル思考の構築支援に着目し、その効果を検証する。科学教育においても複数の表現情報を用い概念構築するマルチモーダル思考の重要性は認識されているが、異なる表現を統合して抽象化する構築段階の支援が不足している。そこで本研究では、STEAM教育の初期段階にアーティストが実施するステマティックな拡散思考過程を取り入れた学習プログラムを開発し、本教材を用いた①マルチモーダル思考における構築支援機能と、②そのことがもたらす課題解決への創造的思考支援の効果を、STEAMワークショップの中で評価していく。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度実施したSETAM教育プログラムについての分析を行った。本プログラムでは、アーティストが研究者の研究を話を聞き、そこから問いを深めていった。その過程で、「地球を片付ける」というテーマに至った。 本研究では、その過程をインタビューし、複線径路・等至性モデルで図式化した。その結果、アーティストは、研究者の問いを、作品制作の過程のような形で深めていることが分かった。また、その問いを通して、高校生がさらに問いを深めるワークショップを行った。その際、360度カメラを用いて高校生たちが問いを深める様子を分析していった。その結果、問いを深める過程で、高校生たちは答えのない問いを検討する際に、自己の経験や、身近なものを用いた思索を行っていることが分かった。答えなく、複数の選択肢が考えうる問いは、複数の可能性を検討しなければならないため、マルチモーダル思考が必要になる可能性が見えてきた。本研究では、科学的事実と主観的意見や経験を往復して思索するマルチモーダル思考について検討しているが、抽象的な問いによってマルチモーダル思考が促進されることが示唆された。 そこで、マルチモーダル思考を促す支援としての問いの設定の仕方を検討する必要があることが分かった。その際、アーティストなどの創造的な問いを生み出すステークホルダーとの連携の有効性についても検証することが必要である。来年度以降、問いとマルチモーダル思考の関係性について、研究を進めていくことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の成果公開の活動に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
成果公開の活動を重視し、本研究の論文化作業を加速させる。
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