研究課題/領域番号 |
22K02980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
本郷 智子 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60401452)
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研究分担者 |
安村 友紀 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20733893)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マルチモーダル / 作文教育 / ビジュアル化 / 思考過程 / 相互行為 / フィードバック / 初年次教育 / 思考のビジュアル化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、初年次教育「理系大学生のための表現技法」での学習過程をマルチモーダル化し、学びがどのように変化するかを分析する。表現技法の授業を「文章を書くための技巧(テクニック)」伝授の授業とするのに留まらず、他者との相互行為を通して考えをビジュアル化しながら論理的思考を鍛えていく動的なコミュニケーションの実践と考えている。学生同士がさまざまな考えを共有し、議論する場において、図、絵、ツール等のモードを活用することで、コミュニケーションの多面性や創発性を生かす教育活動とする。実際に手を動かす作業にも留意することで、言語のみならず身体動作や非言語によるコミュニケーションにも分析の視野を広げる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、学部一年生を対象とした作文活動における学習過程をマルチモーダル化し、学びがどのように変化するかを分析することにある。ここでのマルチモーダル化とは、言語、身体動作や視線なの非言語、図や絵などの視覚的情報、道具、空間などの多様なモード(様式)を包括的に活用し、表現する活動を取り入れることを指す。 学習者が文章を作成する過程で手書きスマートノートを活用し、思考のビジュアル化を行いながら、他者にそれを伝え、考えをまとめる一連の活動を分析した。初年度はパイロットスタディとして、2022年前期に研究代表者らが担当した「理系大学生のための表現技法」(授業回数8回×4クラス)において、手書きスマートノート「ロケットブック」を導入した。研究対象者約210名に配布し、最終課題前のプレゼン活動を準備するための授業におけるペアワークに使用した。 ペアワークでは、随時ローテーションしていく形で活動を進め、各学生がどのような流れで文章を構成するかをビジュアル化しながら内容を説明する活動を繰り返した。その過程において、学習者は、クラスメートとの相互行為を通してフィードバックを得ながら修正を得た。一連の活動は全て録画・録音し、分析資料とした。図解の充実度と文章課題の最終評点の関係を調べた結果、マルチモーダル化の効果を文章課題の評点の差異という形では明確に示すことできなかったが、表現技法における個々人の学習ポイントの多様性が顕在化する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通り進んでいる。本年度のパイロットスタディの分析結果を次年度学会に発表することになっており、原稿執筆、発表資料作成も進んでいる。 マルチモーダル化のツールとして学生が使用したロケットブックの使用方法に関する理解については個人差があることが見受けられた。ロケットブックの適切な使用をしなかったために、ビジュアル化がうまくできなかったり、クラスメートとの共有活動が上手く進まない場合も観察された。次年度は、ツールの使用に慣れるための予備時間を取る、ツールの使用法をさらに詳しく説明する等の工夫が求められる。 また、一連の活動のビデオ録画については、録画環境や音声録画のむずかしさから、マルチモーダル化を詳細に分析する資料とはなり得ていないという課題が残った。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に行ったパイロットスタディでは、マルチモーダル化の効果を文章課題の評点の差異という形で明確に示すことできなかったが、調査研究により、表現技法における個々人の学習ポイントの多様性を顕在化させることができた。次年度では、初年度同様に4クラスを対象とし、資料を蓄積しデータの信頼性を上げることを目指したい。そのためにも、対象となる学生がマルチモーダル化のツールとなる「ロケットブック」を有益に使用できるよう準備段階での工夫を行いたい。また、録画資料についても録画環境に配慮し、資料収集できるよう心がけたい。 本年度は昨年度のパイロットスタディの分析結果を大学教育学会にて発表する予定です。そこでのフィードバックも今後の研究に生かしたいと考えている。
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