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高校化学において利用できる機能性高分子化合物に関する実験教材の探究・開発・深化

研究課題

研究課題/領域番号 22K02984
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関愛知教育大学

研究代表者

長 昌史  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50332721)

研究分担者 中村 洋  京都大学, 工学研究科, 教授 (90243162)
井田 大地  京都大学, 工学研究科, 准教授 (80610518)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード高分子化学 / 機能性高分子化合物 / 高校化学 / 化学教育 / 化学教材 / 吸水性ポリマー / イオン交換樹脂 / d-リモネン / 高分子化学教材
研究開始時の研究の概要

本研究では,機能性高分子化合物である,刺激応答性ゲル,生分解性高分子,高吸水性ポリマー,感光性高分子,イオン交換樹脂等に関する実験教材の探求・開発を行う。開発された実験教材を,高校訪問授業や公開講座などにおいて試用し,参加者からのフィードバックを受け,教材が持つ特性の詳細な調査および教材としての最適化を進める。確立された教材について,得られた知見を論文等で公表し,高分子化学教材の普及を推進する。

研究実績の概要

本研究の目的は,高校化学で機能性高分子化合物の教育・実習に利用できる新しい実験教材を探究し,教材についての理解を深化させ,機能性高分子化合物に関する新しく魅力的な実験教材の開発を行うことである。具体的な機能性高分子化合物の教材として,「吸水性ポリマー」「イオン交換樹脂」「刺激応答性ゲル」「生分解性高分子」等を予定している。これ以外にも,高分子化学教育に利用できる実験教材が見つかれば,その探究・深化に取り組んでいく。
令和5年度においては,吸水性ポリマーの吸水性についての更なる探究,イオン交換樹脂の合成方法の確立を目指した研究、およびオレンジオイルが発泡スチロールを溶解する現象についての探究を行った。
吸水性ポリマーに関して,カチオン性の置換基を持った高分子で構成された吸水性ポリマーの合成方法を確立し,その吸水性について探究した。カチオン性置換基を持った吸水性ポリマーの吸水率は,アニオン性置換基を持った吸水性ポリマーの場合と比べ,吸水する水溶液に含まれるイオン種による影響が大きく異なることを明らかにした。この結果に基づき,高分子化合物の構造と機能性の関係を理解するための化学実験教材としての利用が期待できる。
イオン交換樹脂に関しては,スルホ基を持つ4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムを重合し架橋することで陽イオン交換樹脂の合成を,第4級アンモニウム基を持つ(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドを重合し架橋することで陰イオン交換樹脂の合成を試みた。このように合成したイオン交換樹脂はいずれも,イオン交換能を持つことが確認できた。イオン交換樹脂の合成および物性に関して,今後も研究を継続していく。
オレンジオイルに含まれる成分であるd-リモネンが,発泡スチロールの構成成分であるポリスチレンを溶解する能力について探究し,その研究成果について学会発表および論文発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

カチオン性置換基を持った吸水性ポリマーの合成方法を確立し,その吸水特性を明らかにした。この結果に基づいて,吸水性ポリマーの化学実験教材としての理解の深化および普及をさらに推進していく段階に来ている。
陽および陰イオン交換樹脂を合成し,いずれもイオン交換能を持つことが確認できた。これらのイオン交換樹脂の化学実験教材としての利用方法を確立する段階に来ている。
従来から化学教材実験として利用されてきた,発泡スチロールのオレンジオイルへの溶解実験について,ポリスチレンのd-リモネンに対する溶解性を定量的に評価する方法を確立し,その成果を論文として公表した。

今後の研究の推進方策

吸水性ポリマーの化学教材としての利用方法の確立,イオン交換樹脂の合成と化学教材としての利用方法の確立を推進していく。その他の機能性高分子化合物の化学実験教材に関しても,今後,研究を推進していく。
また、当初の研究対象にあげた機能性高分子化合物以外にも、化学教材として利用可能な対象を見つけ、その調査・研究も推進していく。オレンジオイルを用いた化学教材実験に関しては,ゴム風船にオレンジオイルを掛けるとゴム風船が割れる現象についての探究に着手する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A quantitative evaluation of solvent quality of an environmentally friendly solvent ‘d-Limonene’ for polystyrene2024

    • 著者名/発表者名
      Ozeki Takumi、Ida Daichi、Osa Masashi
    • 雑誌名

      Polymer Journal

      巻: 56 号: 2 ページ: 121-125

    • DOI

      10.1038/s41428-023-00845-x

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of Acid-Base Indicators from Natural Pigments in Agar Gel2023

    • 著者名/発表者名
      Im Rany、Iwayama Tsutomu、Osa Masashi
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Education

      巻: 100 号: 12 ページ: 4707-4713

    • DOI

      10.1021/acs.jchemed.3c00131

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 高吸水性ポリマーの化学実験教材化の検討(第2報)―種々の高分子からの高吸水性ポリマーの合成―2023

    • 著者名/発表者名
      池田 海斗, 岡邉 弘仁, 安井 啓人, 石川 真悟, 長 昌史
    • 雑誌名

      愛知教育大学研究報告. 自然科学編

      巻: 72 ページ: 26-34

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 高分子教育に利用できる実験教材の探究と開発2022

    • 著者名/発表者名
      長 昌史
    • 雑誌名

      高分子

      巻: 71 ページ: 283-283

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] d-リモネン中におけるポリスチレンの固有粘度2023

    • 著者名/発表者名
      尾関 巧,長 昌史
    • 学会等名
      第72回高分子学会年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] d-リモネン中における高分子溶液物性2023

    • 著者名/発表者名
      長 昌史
    • 学会等名
      NKOアカデミー第76回セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高吸水性ポリマーの化学実験教材化の検討2023

    • 著者名/発表者名
      長 昌史
    • 学会等名
      日本化学会 第103春季年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 高吸水性ポリマーの化学実験教材化の検討(動画)

    • URL

      https://youtu.be/0vjyWE39cOU

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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