研究課題/領域番号 |
22K02999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (90279555)
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研究分担者 |
白石 優旗 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (00389214)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | コミュニケーション支援 / 手話 / ろう / 難聴 / 聴覚障害 / アクセシビリティ / 高等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
手話を用いる聴覚障害者が専門的な内容を学ぶためには,手話で話された専門の内容を理解し書くこと,専門の内容を手話で話すといったアウトプットが必要不可欠な行為である. しかし,手話には書記法がないために,手話をそのままノートに書くことができないという課題がある. また専門的文章では主語や目的語が省略されている場合や,長い修飾句や節が続き,学習者や手話通訳者にとっては論理関係が不明瞭になる場合等があり,リアルタイムで専門的な内容を手話表現することには困難を伴う. 本研究では、専門的な内容の手話を記述できる手話書記法の検討を行う.
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研究実績の概要 |
手話には日常的に利用されている定まった書記法がないために,手話をそのままノートに書くことができないという課題がある.また専門的な日本語の文章で は,ろう・難聴の学習者や手話通訳者にとっては論理関係が不明瞭になる場合等があり,リアルタイムで専門的な内容を手話表現することには困難を伴う.その ため,専門的な内容の手話を記述できる手話書記法が必須である. 本研究の目的は,手話言語の特徴を持つ構造化された書記法を作成することで,専門的分野での聴覚障害者の社会進出を後押しすることにある.そのために, 専門的な内容を手話で表現する場合の表現方法について整理し,書記法のルール案を策定し,ルール案に従って作成した書記法の伝達性を評価する実験を行うこと で有効性や課題を明らかにしようとするものである. これまで、主語と目的語の空間表現など、記号を用いて手話の空間構造を二次元平面上に表現する方法を提案しているが、今年度は、手話文のマクロな構造に着目し、手話文が持っているろう・難聴者が理解しやすい構造を可視化することを試みた.まず、専門的な内容における手話文特有の構造とは何かを分析するため、手話ニュース文の解析を行った.その結果、手話文では、話題化文やwh分裂文などのトピックを文頭で明示する文が多いことがわかった.この特徴を反映させ、文頭にトピックを四角形で囲い強調表示する書記法を提案し、実際に手話文(動画)から提案手法を用いて手話を書く実験を行った.ろう・難聴者が協力した実験の結果、記号を用いてトピックを書くことや、専門用語をラベルとして書くことがある程度可能であることがわかった.一方で、記号の選択や配置の誤りも見られた.これは、名詞と動詞が同型である手話単語の存在や、提示した文の語順が基本文型と異なったこと等が原因と推測される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ろう・難聴者の知覚特性を考慮した書記法を提案するために、専門的な内容を表現するための手話文の持つ特徴について改めて分析し、その特徴を踏まえた書記法を元に実験を進めることができたため、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
手話文の読み取り実験では、手話の文法の読み取り力に差がある様子が見られた。そのため、各自の手話力の差に対応した方法の検討や、実験を行うために提案手法を使うための手話力の確認や説明方法の検討が必要であることがわかった。
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