研究課題/領域番号 |
22K03014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
石丸 裕士 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (70270311)
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研究分担者 |
三木 功次郎 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80259910)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 高専教育 / Q-U / グループ学習 / 科学教育 / コロナ対応 / アクティブラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
前半の2年間で、Q-Uに基づく様々なタイプのクラスに最適なグループ学習の形態を選択できる方法論を開発する。また、専門外学生が生命科学に興味を持って取り組めるような教材を開発する。後半の2年間で、様々なタイプのクラスに対して、開発した方法論に基づいてグループ学習の形態を選択したり、教材を用いたりして、開発した方法論や教材が、生命科学の基本事項の習得や自律性向上支援にどの程度有効に寄与できたか調査して報告する。
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研究実績の概要 |
高専では、コロナ禍でも学びを止めないために、実験・実習の機会を確保し、教科教育にできる限り支障が出ないよう、様々な工夫がなされた。一方、コロナ禍の影響で、キャリア教育の一環として実施されてきたイベントなどが数多く中止となった。そこで、これらイベントの中止は、学生のキャリア意識や、キャリア意識と相関が高いソーシャルスキル、学生間リレーション形成意欲をはじめとする学校生活意欲、学習の基本単位となる学級満足度などQ-U の各項目に大きな影響を及ぼし、それがキーコンピテンシーの低下となって表れ、教科教育の側面には、コロナ禍後のグループ学習を以前と同様の手法で行ってもほとんど効果が出ない、または、完全に逆効果であったという形で現れるのではないかと考えた。 中学生対象に行われた先行研究では、被侵害得点がコロナ禍後で低下したこと、1年生では配慮のスキルが高かったこと、2年生では学級生活不満足群の出現数が高く、キーコンピテンシーの低下に繋がり、教育に支障が出た事例が報告されている。 そこで、本研究では、全高専に声がけして、Q-Uの活用状況を調査し、把握した。次に、その中でも活用度が高く、これまでの教育改善に関する研究で協力頂いたフィールド校に声がけして、コロナ禍による様々な学生関連のイベントの欠如が高専生の価値観にどのような影響を及ぼしたのかについて調査した。すると、1年生と4年生では、コロナ禍を経て概ね学校生活意欲、学級満足度、ソーシャルスキルが前年より低下し、逆に2年生と5年生で前年より概ね高まっていることなどが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
客観指標を用いて、コロナ禍が高専生の価値観に及ぼした影響を、特定のフィールド校において調査することや、そこで用いた客観指標であるQ-Uの全高専における活用度を調査することは完了した。しかし、研究分担者が2022年度の5月より休職となり、研究代表者が従来の担当科目に加えて、その教員の担当科目も急遽担当するなど、この研究に対して当初予定していたエフォートを十分に確保できなくなった。また、以後の研究体制を見直す必要が出てきた。そのため、共同研究のコンソーシアムの形成や、秘密保持契約の締結に至らず、研究環境が整わないまま年度末を迎えてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も引き続き、当初の研究分担者は休職する旨連絡が入ったので、コンソーシアムを形成や秘密保持契約の締結など、本研究を実践するフィールド校を束ねるのに適任な研究分担者を新たに迎えて、調査校や実践校を確保すると共に、2022年度に行った調査を多くの地域で、長期間にわたって調査し、コロナ禍が高専生の価値観に及ぼした影響をさらに明らかにする。さらに、研究協力者にインタビュー調査するなどして、自律性向上支援などのキーコンピテンシー獲得を見積もる尺度の開発に努める。研究代表者は、専門外の学生が生命科学を学ぶのに役立つ実験教材の試作を始める。これらの研究成果を教育系学会にて発表する。
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