研究課題/領域番号 |
22K03044
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
一言 英文 関西学院大学, 文学部, 准教授 (80752641)
|
研究分担者 |
高橋 義明 明海大学, 経済学部, 教授 (10720683)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 文化 / ウェルビーイング / 自己 / 幸福感 / 健康 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では日常生活の測定を実施することで、協調的幸福感の社会的・感情的な健康過程を実証する。具体的には、社会活動やコミュニケーション、感情や行動のデータを、社会的文脈が異なると考えられる国や地域間にて調査する。その際、可能な限りその周囲の他者からのデータや時系列のデータなども収集し、協調的幸福感の多方法的なデータを収集する。仮説は身近な他者との相互作用は状況的・集団的に協調的幸福感を高め、時間的な遅れを伴いながらも中長期的に、健康状態と正の説明関係を持つことである。また、協調的幸福感が社会の繁栄を維持した根拠を得る方法の一つとして、南米における日系移民の子孫に対する調査を計画している。
|
研究実績の概要 |
本年度は、本研究課題の核となる協調的幸福感の理論的背景と先行研究について、洋図書章としてレビューを寄稿した(Hitokoto, H. & Takahashi, Y. (in press). Cultural Differences and Happiness. In Fernandez-Urbano, R (Ed.). Encyclopedia on Happiness, Quality of Life and Subjective Well-being.)。ここでは、文化とウェルビーイング研究における過去・現在・未来についてレビューを行った。具体的には、幸福感の文化差を総覧しつつ、その背景にある文化と自己、感情の意味づけに関して論じた。その上で、文化の要因としての社会環境と、協調的な文化の背景にある綿密な相互扶助と連携が、結果として調和や平穏、人並みの感覚を含意とした幸福感の発生に寄与した可能性を論じた。さらに、展望として、文化的な機能を考慮しない幸福度の単純な量的比較に対する警鐘と、移民・マイノリティ文化における文化的幸福の研究価値について、本研究課題を中心に論じた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、海外のコロナ事情による共同研究者との調整不足に加え、本学にて学会大会の運営に中核的に関わる必要が生じたこともあり、理論的レビューの執筆を除いては大きな進展が難しかった。本年度は、これらを改善した上で、予定に沿って国際比較調査を実施する見込みである。ちなみに、今年度は、4月現時点で、本研究課題に基づいた国際学会での発表および国内学会での発表を計画している。これらに基づき、論文を出版する。
|
今後の研究の推進方策 |
2023度は、まず、Hitokoto & Adeclas (2022)のコロナ禍中の研究結果がどれほどポストコロナ期にも一般化するかを検討するための国際比較調査を実施する。具体的には、日本とフランスの社会人を対象に、インターネット調査を実施する予定である。2024年度は、幸福感の文化的含意が時代間で伝播する媒介要因とそれによる健康に対する効果について検討するため、ペルーの日系移民を対象としたオンライン・インタビュー調査を実施する予定である。2025年度は、これらを総括した研究発表を通し、協調的幸福感が健康に与える効果を、直面した生体環境という状況的要因と、時代を通して存続する時代的要因に着目した研究モデルを構築することを目指す。
|