研究課題/領域番号 |
22K03045
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
|
研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
村上 幸史 関西国際大学, 現代社会学部, 非常勤講師 (00454778)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ギャンブル / 他者 / 乗り役 / 信頼 / 制御幻想 / 予測 / コントロール |
研究開始時の研究の概要 |
これまでギャンブル依存のプロセスとしては、不確実な事象をコントロール可能と認識する、制御幻想による説明が有効とされてきたが、日本ではギャンブル依存の割合は高い反面、この制御幻想は生じにくいことが示されている。 本研究では、ギャンブルの誘因となりえる別の要因として、他者の影響に注目する。とりわけ他者が行う競技に賭けたり、他者の予想を参考にしたりという、自己がコントロールできないような他者をなぜ信頼して賭けるのかという「信頼性」の要因に焦点を当て、調査や実験を通して検討する。併せてギャンブルに関わる他者の要因を包括的に整理しなおすことで、ギャンブルにおける他者の持つ影響力を問い直す。
|
研究実績の概要 |
本年度はまず、昨年度に行ったギャンブラーの持つ他者からの影響についての認識に関する実態調査を集計、分析し、学会発表を行った。そこで主として検証しようとしていたのは、ギャンブルで的中したり成功したりするのには、ある程度の知識が必要と考える「ギャンブルの知識量仮説」と、依存が進むにつれて、奪い合いの認識から勝つことへとギャンブルの目的自体が変化する協合から競合へ変遷するというモデルである。 調査の結果からは、ギャンブルに介在する他者の要因について、「賭け対象への信頼」「他者情報の影響」「自己統制」「競争や敵対する他者」「協同する他者」「社会的促進」「他者依存」という7因子が抽出された。ギャンブルと期間の明確な関連性は、他者に頼らず自分でやりたいという「自己統制」のみが見られた。ただし経験が長いほど知識を重要と考えており、また経験が長くなれば「競争や敵対する他者」「他者依存」「協同する他者」の影響も低下する傾向が見られ、経験によりギャンブルの個人化が進む可能性が示唆された。 加えて、公営ギャンブルにおいて、乗り役や予想家をどのように信頼して、賭けの対象としているのかについて、文献調査やフィールドワーク、インタビューなどを行い、実力(過去の実績)、人気、調子、調整能力、対戦相手、乗り役と賭け手の相性、地の利、身体的特徴、態度や人柄、容姿、人生や物語などの要因が関係していることが示唆された。これらを元にして、乗り役に関する信頼性に関する項目を作成して、予備調査を行い、項目選定を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
公営ギャンブルに関する下調べ、及び調査の項目を用意するのに時間を要したため、倫理審査の関係上、予備調査のみ行うことができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
既に公営ギャンブルにおける乗り役に関する調査は実施の準備ができている状態である。その結果を踏まえて、予想家に関する調査および、実験の実施を予定している。
|