研究課題/領域番号 |
22K03051
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
石津 憲一郎 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (40530142)
|
研究分担者 |
樫村 正美 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (00550550)
大月 友 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20508353)
佐藤 修哉 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (20793243)
下田 芳幸 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 自己批判 / ストレス反応 / コンパッション / ソーシャルサポート / 学校適応 / 感情 / アクセプタンス / 思春期 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,心理的柔軟性を構成する主要な要素の一つである感情のアクセプタンスの向上に寄与する要因としてコンパッションに着目する。まず,コンパッションと感情のアクセプタンスとの関連を調査研究によって明らかにする。続いて,調査研究の結果を踏まえ,子どもの感情アクセプタンス向上プログラムを構成し,自らの問題と課題に対し能動的に対処する力の醸成を目指した教育プログラムの効果検証を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究の主目的であるコンパッションの視点を統合した感情のアクセプタンスを促す心理教育プログラム作成に向けた基礎的研究を行った。第一にコンパッションに関連する要因である「自己批判」と「自己へ向けられる温かさ」が学校ストレスとどのように関連するのかについて短期縦断研究を行った。中学生を対象に,1か月の期間を空けて2回の調査を行い,Time1のストレス反応得点を統制したうえで,「自己批判」と「自己へ向けられる温かさ」が1か月後のストレス反応にどのような影響を与えるかを検討した。また,その際に子供の環境因として「大人からのサポート」と「友人からのサポート」の影響も同時に分析した。 分析の結果,自己批判,自己への温かさ,大人からのサポートが1か月後のストレス反応を予測するという各変数の主効果に加え,自己への温かさと大人からのサポートの交互作用と,自己批判と大人からのサポートの交互作用も得られた。下位検定の結果,自己への温かさと大人サポートも高い群では自己批判の影響は見られないが,サポートが多くても自己への温かさが低いと自己批判の影響がでやすいこと,自己への温かさが低くかつサポートも低い場合,サポートも低いが自己への温かさが高い群と比較すると自己批判の影響が強いことが示された。このように,自己批判の高さがストレス反応に与える影響を,自己へ向ける温かさや大人からのサポートが緩衝する可能性が示された。 また,友人サポート高群では自己批判は有意な影響を与えないが,低群ではストレス反応に正の影響が見られたことから,自己批判のストレスに対するネガティブな影響力は,友人サポートによっても干渉される可能性も示された。 本研究における自己批判はるruminativeな特徴を持つ自己に対する非難であるが,それらの影響力は自己への向ける温かさや周囲からのサポートの多寡にも左右されると考えらえる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラム作成に向けて基礎的研究としてのデータを取得できた。一部のデータは分析が終了していないが,研究は順調に進んでいると考えられる。また,今回得られたデータの一部は2023年度に行われる学会にて発表予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に行われた研究から,「自己へ向ける温かさ」のメンタルへするに与える影響について検討することができた。この結果を踏まえ,感情のアクセプタンス(逆の概念としての体験の回避)がメンタルへするに与える影響を「自己へ向ける温かさ」が緩衝する可能性についてさらなるデータを得ながら検証する予定である。
|