研究課題/領域番号 |
22K03052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 知音 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20291388)
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研究分担者 |
川崎 聡大 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (00444654)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 書字表出 / 大学生 / 限局性学習症 / 綴字 / 文章構成 / 心理教育的アセスメント / アセスメント |
研究開始時の研究の概要 |
漢字書字課題と文構成課題からなる書字表出検査を開発することを本研究の目的とする。この課題を開発済みの読字・書字課題と組み合わせることで、SLDの診断や、読み書きに関する障害への合理的配慮の根拠資料として利用できるようにする。既存の国内外の書字表出関連の検査も参考に問題を作成、信頼性・妥当性を検証し、標準化を行う。検査が完成したら、アセスメントでの利用を試み、検査として完成させる。
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研究実績の概要 |
国内の高等教育機関で発達障害学生が増加しており、試験時間延長など読み書きに関する合理的配慮を利用する学生も少なくない。しかし、読み書きの障害である限局性学習症(SLD)の診断のみがある学生の数は,自閉スペクトラム症,注意欠如多動症と比べ非常に少ない(JASSO, 2021)。その理由の一つとして、国内で大学生年代を対象とした、読み書きに関する検査がないことがあげられる(高橋, 2021)。 そこで、高橋・三谷(2019)は大学生を対象に国内初の標準化された読み書き検査である、読字・書字課題(Reading and Writing Fluency task: RaWF)を作成した。しかし、書くことについては、見本を書き写す視写課題のみで、文字レベルの筆記能力しか測定できない。SLDには、単語、文レベルの機能障害である書字表出障害が診断基準に含まれ、RaWFだけではSLDのアセスメントに不十分である。 現状では、SLDの中でも書くことに関する症状を十分に評価することができない。しかし、論述試験や論文作成の困難など、大学生では書くことに関する支援ニーズは少なくない。そこで、「大学生の単語、文レベルの『書き』能力をどう測定するか?」を本研究の核心をなす問いとして設定し、標準化された書字表出に関する検査の開発を目指す。 2023年度は、書字表出評価方法の現状を明らかにするために、国内で利用可能な読み書きの検査について情報収集を行った。その結果、文章構成、綴字、書字に関して大学生を対象として標準化されたものは、RaWF以外になかった。18歳までであれば、KABC-Ⅱが大学生の一部に実施可能であり、綴字、文章構成にあたる能力の評価が可能である。これらをふまえ、今後は海外の書字表出に関する検査も参考にしながら、具体的な課題を作成する必要があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
書字表出の心理教育的アセスメントに関する情報収集については順調に進めることができたが、その情報を文章にまとめる作業に想定以上の時間がかかり、検査のパイロット版の作成まで進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
まず、表現したい事柄・考えを、適切な単語、適切な文法で表現する能力の問題案を作成、各問題の得点分布、正答率からパイロット版を作成する。各下位課題の問題案を多めに作成。同時に採点用評定項目と採点マニュアル案を作成。大学生50名程度に実施し、正答率、採点のしやすさ、得点分布から問題を精選し、パイロット版を作成する。
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