研究課題/領域番号 |
22K03053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
金子 泰之 静岡大学, 教職センター, 講師 (00710641)
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研究分担者 |
岡田 有司 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (10584071)
都筑 学 中央大学, その他部局等, 名誉教授 (90149477)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | いじめ / 学校適応 / 生徒指導 / 教師と児童・生徒の関係 / 問題行動 / 教師 / 縦断研究 |
研究開始時の研究の概要 |
いじめのような学校適応上の問題には,主として教師が対応することになる。<いじめを引き起こす児童・生徒>と<いじめに対応する教師>という双方向の関係が教育実践にはある。それにもかかわらず,いじめに関する研究では,主に児童・生徒側にのみ焦点が当てられ,双方向な関係を捉えられていない。児童・生徒と教師をマッチングさせたペアデータにもとづき,児童・生徒と教師の双方向の関係を捉えることができれば,いじめを深刻化させやすい教師と学校組織の特徴は何か?いじめを深刻化させない教師と学校組織の特徴は何か?を明らかにできる。そして,学校現場に対していじめ深刻化を防ぐ示唆を提言できる。
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研究実績の概要 |
2023年度は,1132名の小中学生に調査を実施した。内訳は,支援級の児童生徒71名,小1(99名),小2(108名),小3(117名),小4(122名),小5(123名),小6(109名),中1(130名),中2(116名),中3(137名)であった。8つのいじめ被害のうち,その一部の結果について,2022年度からの変化を平均値をもとに以下に示した。いじめ被害の得点の範囲は1点(被害がまったくない)から5点(被害が週に何度もある)となっていた。 「仲間はずれや無視をされた」は,小学生(2022年1.36,2023年1.25),中学生(2022年1.11,2023年1.15)であった。「なぐられたり,けられたりした」は小学生(2022年1.33,2023年1.21),中学生(2022年1.05,2023年1.05)であった。「パソコンや携帯電話スマホを使った嫌なこと」は小学生(2022年1.03,2023年1.02),中学生(2022年1.04,2023年1.03)であった。「遊ぶふりをして軽く叩かれたり押されたりした」は小学生(2022年1.31,2023年1.21),中学生(2022年1.07,2023年1.06)であった。「服を脱がされたり性的な嫌がらせ」は小学生(2022年1.04,2023年1.05),中学生(2022年1.03,2023年1.01)であった。いじめ被害8つの項目で,小中学生ともに,得点がやや減少する傾向が見られた。いじめ被害があった場所と時間帯については,小中学生ともに「先生がいる教室」,「先生がいない教室」「ろうかや階段」を選択した割合が高く,時間帯としては「やすみ時間」と「授業中」を選択した割合が高かった。いじめ被害があった場所と時間帯は2022年度の結果と同様の傾向が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度もいじめ被害を中心とした学校適応に関する縦断調査を,小中学生に実施することができた。いじめ被害の実態とその変化を縦断調査によって明らかにできたため,研究を順調に進めることができていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
小中学生のいじめ被害を中心とした学校適応上の課題に対して,教員の意識がどのように関係するのかを検討していく。そのために,教員を対象とするアンケート調査を実施する。教員同士の同僚性,教員のストレス,多忙感,教師が持つ生徒指導感や子ども観などを項目としたアンケートを計画し,調査を実施していく予定である。
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