研究課題/領域番号 |
22K03061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
椎名 乾平 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60187317)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 評定尺度 / 歴史 / 心理測定 |
研究開始時の研究の概要 |
評定尺度は様々な学問で用いられて来たが、その基礎づけは不明瞭である。本研究の目的は「測定装置としての評定尺度」について歴史的な観点から再考することによりその基本特性を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は「測定装置としての評定尺度」の歴史的成り立ちを調べ、その特性を明らかにすることである。予備調査より評定尺度には、少なくとも八つの流れがあるのが明らかになってきたので、まずそれらを分類整理し、2022年度には評定尺度を歴史的観点から再評価した論文を出すことが出来た(昔の評定尺度, 2022, 心理学評論)。この論文では、元々の文脈における評定尺度の起源を包括的に検討した。また2022年度には現在盛んに使用されているGPA(Grade Point Average)の歴史についての小論をまとめることが出来た。 この流れを引き継いて、2023年度は16・17世紀のイエズス会の評定による教育評価法についての論文を発表した。ここで扱われたのはその重要性にも拘らず長い間教育史や教育評価史で等閑視されてきた話題であり、特に「有馬のセミナリヨ」の1588年の成績データは注目に値する。 また学会発表では最も新しい評定尺度法といえるルーブリックの歴史について紹介し、今後の課題とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メインの研究は論文となっており、その他の論文も着実に出ているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画をやや方向修正し、イエズス会の教育評価の深耕と、最新の評定尺度であるルーブリックに注目することにしたい。特に 1)16世紀イエズス会は日本に学校を建てたが、その中の「有馬のセミナリヨ」の成績データ(1588年)が残されている。この貴重なデータの統計的解析を行って見たい。 2)現在の教育評価で注目されているルーブリックは最も新しい評定尺度と言えるのだろうが、その由来は不明確なのでさらなる歴史的調査を試みたい。 さらに 最後の大きな課題として 3)17世紀科学革命や数量化革命というのは科学史で良く語られる概念であるが、それならば、評定尺度は人文・社会科学における数量化という大きな文脈の中で評価しなければならないのかもしれない。この可能性について心理学の立場から考えて見たい。
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