研究課題/領域番号 |
22K03066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
酒井 恵子 大阪工業大学, 教職教室, 教授 (50306370)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 順序関係分析 / 心理測定尺度 / 項目分析 / 心理測定 |
研究開始時の研究の概要 |
順序関係分析は,心理テストに含まれるテスト項目間の順序関係を,項目間の相関と平均値差とで判定し樹状図に表すことで,そのテストが測る心理特性が質的に高度化していく様子を表現し,特性の意味構造を明らかにする分析手法である。相関と差異の分析という初歩的な統計手法を組み合わせた平易な分析手法であり,比較的小規模のデータにも適用可能である等の特長を持つ。本研究では,①順序関係分析と既存の分析手法との関係を明らかにし,理論的な整理を行い,②分析プログラムを改良し,樹状図を二次元から三次元に変更してより見やすいものにし,③順序関係分析を様々なパーソナリティ尺度に適用し,それらの意味構造を明らかにする。
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研究実績の概要 |
順序関係分析は,心理測定尺度に含まれる項目間の順序関係を,項目間相関と平均値差に基づき判定し,尺度全体の半順序構造を樹状図により可視化し,測ろうとする特性の意味構造を明らかにするための分析手法である。これまでに開発した順序関係分析の分析プログラムは,特にグラフィック機能の面で改良の余地があった。また,既存の他の分析手法との関係等,理論的基礎付けが未だ不充分であった。本研究はこれらの残された課題に取り組み,順序関係分析の理論と方法を確立しようとするものであり,具体的には以下の3つを目的としている。 (1) 順序関係分析に関する理論的検討<T(=Theory)系統> (2) 順序関係分析のための分析プログラムの改良<P(=Program)系統> (3) 順序関係分析の様々なパーソナリティ尺度への適用<A(=Application)系統> 令和4年度は,主に(2)について作業を進めた。2016年に公開した,順序関係分析のためのRプログラム初版(Yanagida & Sakai, 2016)では,尺度の半順序構造を表す樹状図は2次元的に表現されていたが,これを3次元的に表現し,尺度全体と個々の尺度項目との関係を,樹状図における木の幹と枝との位置関係で表せば,より数理的情報量の豊かな樹状図となる。この3次元樹状図の描画プログラムの開発については,Larissa Bartok氏、Philipp Gewessler氏(オーストリア連邦教育研究所)の協力を得て進めてきた。両氏とは2019年のオーストリアでのミーティングを最後に,パンデミックの影響で直接会ってのミーティングは行えていないが,メールでのやりとり等によりプログラム改良に向けた準備作業を徐々に進めており,令和4年度中はそれらの成果を整理する形で,3次元樹状図の描画プログラムをほぼ完成させ,細かい手直しを残すのみとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
順序関係分析のプログラム改良については進展があったが,研究成果の公表(論文投稿や学会発表等)までには至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度以降は,主に日本国内の研究者との共同作業により,順序関係分析のための分析プログラムを完成させると共に,様々な心理尺度への適用を進める。また,研究成果を学会や研究会で報告し公表する中で,順序関係分析に関する理論的検討を進める。
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