研究課題/領域番号 |
22K03082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
荘島 幸子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 准教授 (70572676)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 性の多様性 / 自己形成 / 発達支援 / 対話生成 / ゲーミング / 対話 |
研究開始時の研究の概要 |
性的マイノリティ(SOGI非典型者)に関する社会的関心が高まっているものの、差別やいじめは後を絶たず、自殺関連行動が高率で生じている。本研究では、第2の自殺のピーク期を大学生活で迎えることに着目し、SOGI非典型学生を取り巻く実態調査ならびに支援体制の構築を目指す。性をめぐって様々な立場や多様な価値観が存在することを前提とし、価値観の共有や対話を生成するゲーミング教材の開発、実践を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、性的少数者といわれる青年(本研究ではSOGI非典型な学生と呼ぶ)が第2の自殺のピーク期を大学生活の中で迎えることに着目し、大学生活におけるメンタルヘルス支援、環境づくりを喫緊の課題として捉え、実態調査ならびに支援体制の構築を目指す。本研究は3つの研究【A】【B】【C】から構成されている。今年度は【A】【C】について研究を進めた。以下に実績の概要を述べる。 【A】SOGI非典型者の第2の自殺のピーク期の防御要因を明らかにするための基礎研究: ①A-1:SOGI非典型な学生の大学生活に関するレビューを引き続き行った。様々な調査からはSOGI非典型の学生は、大学生活の中で日常的に被差別体験をしており、孤独感が強まり、自己肯定感が低下していた。大学の設備の不十分さや教員や学生の不適切な態度が本人の所在感や安心感のなさを生んでいることが明らかになった。キャンパス・クライメイト・リサーチグループ(CCR)および大学ダイバーシティ・アライアンス(UDA)に属する研究者らと定期的なディスカッションを開催し、今後の支援の方向性について改めて検討を行っている。 ②A-2:SOGI非典型者が構築する他者との親密な関係性の発達過程の解明:10年以上の関係を継続している中年期ゲイカップル1組へのインタビューから、関係性発達や親密性のありよう、同性愛者の生涯にわたる発達について分析を行った。同性愛者カップルの安定した関係性を支えるリソースについても考察を行った。 【C】性の多様性の理解と対話的関係の形成を目指したゲーミング教材の開発・実践:今年度は、ゲーミング教材として「カード・ダイアローグ」「マイクロ・ストーリーズ」について検討した。いずれも参加者が個人内で自己を振り返り、言語化しにくい内容を短文で表現し、そのうえで参加者同士の対話を重視した教材であり、本研究における汎用性が高いと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究【B】に関して、やや遅れがみられる状況である。 昨年度、特に研究【A】に関して、キャンパス・クライメイト・リサーチグループ(CCR)および大学ダイバーシティ・アライアンス(UDA)に属する研究者らと定期的な研究会を開催し、ディスカッションを行った。大学におけるLGBTQ支援体制に関する調査が、数は少ないものの実施されているため、今後、本研究における支援の方向性について改めて検討を行ったうえで、調査を行う必要が出てきたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、研究【A】【B】【C】の3つの研究についてそれぞれ述べる。 【A】SOGI非典型者の第2の自殺のピーク期の防御要因を明らかにするための基礎研究:現在、調査協力を得られるグループの選定を行っている。また、他者との親密な関係性の発達解明のためのインタビュー協力者も雪だるま式にリクルートを行っており、順次調査を実施する。 【B】大学教職員、SOGI典型な学生を対象とした、支持的、受容的な大学環境づくりのための基礎研究:今年度も研究者との定期的な研究会・ディスカッションを開催し、大学における支援の現状について情報を収集する。また、射程を広げたレビューを行い、支援の方向性について改めて検討を行う。 【C】性の多様性の理解と対話的関係の形成を目指したゲーミング教材の開発・実践:今年度も引き続き、本研究で汎用性の高いゲーミング教材について調べ、入手し、ゼミを通じて実施する。2024年7月に開かれる国際心理学会に参加、発表するとともに、海外のゲーミングのツールについても現地調査を行う。
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