研究課題/領域番号 |
22K03094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
下坂 剛 四国大学, 生活科学部, 教授 (30390347)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 父親の育児関与 / Pleck理論 / 積極的育児関与活動 / 暖かさと応答性 / コントロール / 間接的ケア / プロセスにおける責任性 / 養育態度 / 心理尺度作成 / 親の人格発達 / 男性役割 / 夫婦関係 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,就学前・小学生・中学生の子どもをもつ父親に共通する,Pleckの理論を踏まえた下位尺度で構成される父親の育児関与尺度を作成することである。尺度の作成にあたり,Pleck(2010)の理論的枠組みを踏まえ,就学前・小学生・中学生という幅広い発達段階にある子どもをもつ父親に適用可能な父親の育児関与尺度を作成することで,その後の研究の進展に大きく寄与することが期待される。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究活動は,まず,妻へのサポート感が父親の育児関与を経て,父親自身の精神的健康に影響するモデルを構築し,最年長児に1歳,3歳,5歳の子をもつ父親において多母集団同時分析を行う研究を実施し,パーソナリティ研究に掲載された。 次に,Pleck(2010)の理論的枠組みに基づき,父親の育児関与の主要素と補助要素を測定する尺度項目の開発を行った。Pleckによると,育児関与には主要な要素と補助的な要素が存在し,これらは異なる次元を持つとされる。自由記述での予備調査や,先行研究(下坂,2019;下坂・姫田,2021;中尾,2021)を参考に,心理学を専門とする2名の研究者がこれらの回答内容を吟味し,主要3要素と補助2要素,それぞれについて10項目ずつ,合計50項目の尺度項目を作成した。予備調査として,父親89名を対象に調査を実施した。しかし,Pleckが指摘するように,主要素と補助要素は異なる次元であるため,5因子構造は示されなかった。この結果は,青年心理学会のフラッシュトークで口頭発表された。以上の結果を踏まえ,主要素と補助要素を別々に尺度化することとした。主要素に関しては,インターネット調査により,父親326名を対象に,父親の育児関与の主要素30項目と,関連尺度を調査した。補助要素についても,父親296名を対象に,補助要素20項目と関連尺度を調査した。 以上の研究活動を通じて,父親の育児関与に関する新たな理解を深めることができた。これらの尺度を用いて,父親の育児関与についてさらに詳細な分析を進める予定である。これらの成果を踏まえ,父親の育児関与に対する理解を深めることができ,将来的には育児支援の方策にも貢献できると期待される。研究の過程で得られた知見は,発達心理学の分野だけでなく,社会全体の育児支援のあり方にも影響を与えうる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では2022年度に尺度作成を行う予定であったが,2023年度にずれこんだ。その影響で,作成した尺度を用いた調査研究の実施も2024年度になる予定である。現時点では,作成した2つの父親の育児関与の主要素尺度と,同じく補助要素尺度に関して,学術誌に投稿する。それと並行して,今後の研究計画を遂行していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後の本尺度を用いた調査計画としては,父親の育児関与の自他評価,母親の自他評価を夫婦ペアデータで調査し,それらが影響を及ぼす変数として,家族満足度を取り上げ,分析していく見通しである。具体的にはインターネット調査により,夫婦ペアデータで互いの育児関与の自他評価のずれの様相が,家庭生活満足度に対して影響するモデルを構築し,その検証を行う予定である。これまでの研究結果をまとめ,国内だけでなく国際学会での発表も行うが,研究の進捗状況によっては2025年度まで1年延長することも視野に入れている。
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