研究課題/領域番号 |
22K03097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
福榮 太郎 横浜国立大学, ダイバーシティ戦略推進本部, 准教授 (10638034)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 軽度認知機能障害 / 認知機能検査 / MMSE / 構成障害 / 視空間認知 / Pentagon Copying Test / 五角形模写 / 認知機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
「図形を模写する」という行為は,人間の視空間認知機能と関連があるとされている。この視空間認知機能は,加齢や認知症により,低下していくことが報告されている。現在,我が国の認知症の検査で,最も頻繁に,また簡便に使用されている検査の一つにMMSEという検査があり,この検査の中に五角形模写という項目がある。本研究では,この五角形模写を,視空間認知機能を評定するPentagon Copying Testして独立させ,標準化することを目的とする。このことで,被検者となる高齢者に,少ない負担で,多くの情報を還元できる可能性があると考えられる。
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研究実績の概要 |
認知症などの疾患において構成障害の有無は,日常生活上の障害の予測,その後の症状の進行の予測,後方連合野の病変の有無の推定,認知症の鑑別などに有用であるとの知見が報告されている。構成障害の評価には,図形模写の有用性が指摘されている。最も臨床場面で多く施行されている図形模写は,Mini-Mental State Examination (MMSE)の五角形模写が挙げられる。だがMMSEでの五角形模写の評点は0-1点であり,構成障害を充分に評価できるとは言い難い。そこで本研究は,五角形模写を独立した描画検査として捉え,Pentagon Copying Test(PCT)として標準化することを目的とする。さらにこれまでの研究で蓄積されているデータを用い,本研究で作成したPCTによって4大認知症の鑑別の可能性,構成障害の継時的変化について検討を行う。 現在,上記研究を目的として,データの収集を行っている。2023年度より予定していたタブレットを使用した,PCT及び,Trail Making Test(TMT)の施行が,研究協力機関である横浜市立みなと赤十字病院で開始されている。またこれまで蓄積されていた五角形模写のデータ500例の測定を行った。これらのデータをもとに,今後,他の認知機能検査や疾患との関連や継時的変化について検討を行う。またタブレットを使用して収集された,描画時のデータについての検討も併せて行っていく予定である。 また2023年度において,総合病院精神医学会において「Pentagon Copying Test(PCT)の開発についての予備的研究」のタイトルで,予備的な研究の成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査フィールドとなっている横浜市立みなと赤十字病院において,これまでコロナの感染拡大により,病院内での対応が一定程度必要となっていた。ただ2023年度頃より,感染症対策の緩和などもあり,コミュニケーションも円滑に行えるようになりつつある。そのため,症例の蓄積やデータ整理なども進んでおり,現状では,おおむね計画通りに研究は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ対応の変化に伴い,研究の進捗は計画通りに進んでおり,基本的にはこの状態を適切に維持することが当面の目標となる。また今後は収集を行っているデータの解析を行い,適宜,学会等での発表を行っていく。
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