研究課題/領域番号 |
22K03103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
東海林 渉 東北学院大学, 人間科学部, 准教授 (00720004)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病 / 疾患受容 / 引き受け / 心理的受容 / 病いの引き受け / 心理行動学的マーカー / 尺度構成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、糖尿病患者の「心理的受容」(本研究では、「病いの引き受け」とする)を定量的に測定するための尺度を開発し、心理的な「引き受け」の程度が血糖コントロール、合併症予防、治療継続、セルフケア行動、などの糖尿病の重要なアウトカムに及ぼす影響を検討する。研究期間の1年目、2年目には、海外で作成された尺度の日本語版を標準化し、心理的な「引き受け」と心理社会的指標がどのようなメカニズムで関与しあっているかを調査する。3年目、4年目には、1年間の前方視的デザインの調査により「引き受け」の程度が各種アウトカムに及ぼす縦断的効果を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は糖尿病患者の「心理的受容(病いの引き受け)」の程度が血糖コントロール、合併症予防、治療継続、セルフケア行動などの糖尿病療養に関するアウトカムに及ぼす影響を検討することを目的としている。 今年度は前年度に行った糖尿病患者の「心理的受容(病いの引き受け)」概念整理の結果をもとに、構成概念妥当性について検討した。複数回の個別インタビュー及びグループインタビューを通して、社会的スティグマ(public stigma)/自己スティグマ(self-stigma)と社会的な障害(就職進学、職業選択、保険加入、住宅ローンの手続きなど)及び心理的受容との関連について確認した。その結果、①各種の社会的障害の経験が社会的スティグマの知覚に関与している可能性があること、②社会的スティグマの知覚は自己スティグマの知覚に関連しうるが両者が必然的に同時発生するとは言い切れないこと、③社会的スティグマと自己スティグマは心理的受容(病いの引き受け)に対して否定的影響を持ちうること、④社会的スティグマ経験によるスティグマの内在化(自己スティグマの形成)をソーシャルサポート(特に同病者間のサポート)が緩衝する可能性があること、が明らかになった。 また本年度、「心理的受容(病いの引き受け)」の評価尺度(Diabetes Acceptance Scale (DAS) / Diabetes Acceptance Scale-Short Form (DAS-SF); Schmitt et al, 2018)の日本語版翻訳作業を進めた。原文から日本語版作成を行い、バックトランスレーションの準備を整えた。併存的妥当性を確認するための尺度の検討と整理をした。また近年のオンライン調査の知見を取り入れて、質の高い調査データの収集を行うための調査票設計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に引き続き、インタビュー調査により糖尿病の心理的受容と隣接概念との関連を患者のリアリティに即して整理できたことは成果であるが、インタビュー対象者リクルートとインタビュー実施に時間を要した。そのため、尺度構成の遂行が遅れている。以上のことから「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は尺度構成の手続きを進め、調査を実施する。オンライン調査について最新の知見を取り入れつつ、質の高いデータ収集に取り組む予定である。また病院調査については関連病院との連携を確保しており、順次必要な手続きを進める。それによって遅れている計画をカバーして研究の遂行を図る。
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