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認知リハビリテーションによる初期アルツハイマー病の進行予防とノーマライゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 22K03105
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10030:臨床心理学関連
研究機関上智大学

研究代表者

松田 修  上智大学, 総合人間科学部, 教授 (60282787)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード認知症 / アルツハイマー病 / MCI / 二次予防 / 三次予防 / 認知リハビリテーション / アセスメント / 軽度認知障害 / 心理的支援 / 老年臨床心理学 / 臨床神経心理学 / 二次予防と三次予防
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、ADによる認知症の二次予防(進行予防)及び三次予防(ノーマライゼーションの具現化)に対する認知リハビリテーションの効果を検討することである。この目的を達成するために、本研究は、アセスメントツールの開発に関する研究(研究1)と、介入実施と効果検証を行う研究(研究2)を行う。研究1では、認知リハビリテーションの計画立案と効果評価に適したアセスメントツールの開発と検討を行う。研究2では、個人実施型の介入要素を組み入れた新しい形の集団実施型認知リハビリテーションプログラムを開発し、その効果を検証する。

研究実績の概要

本研究の目的は、「初期アルツハイマー病(AD)に対する認知リハビリテーションは、認知症の二次予防(進行予防)及び三次予防(ノーマライゼーションの具現化)に役立つのか」を明らかにすることである。そのために、心理学、特に、臨床心理学や臨床神経心理学の観点から、どのような貢献ができるのかについて検討した。具体的には、MCIから軽度ADの状態の人を主な参加者とする集団実施型の認知リハビリテーションプログラムを実施し、その可能性と課題を検討した。このプログラムは、「みんなで、楽しく、しっかり、脳と心を使う」ことをモットーとするグループエクササイズで、週1回1時間程度という枠で行っている。この活動では、認知機能低下の進行抑制とともに、認知機能低下やそれに伴う生活障害によって生じた参加者の自己評価の低下を改善し、自信や意欲を取り戻して日常生活の活動性を維持することを目指している。また、このエクササイズでは、物忘れという共通の悩みを持つ参加者同士のピアサポートを促進することで、参加者間の交流や他者との繋がりの意識を高め、それらを通じて参加者の不安や孤独感を軽減することを目指している。週一回という限られた認知リハビリテーションによる介入であっても、参加者の不安や孤独感の改善が、日常生活の活動に対する自信や意欲を回復させ、その結果、一人一人が自分らしく暮らせるようになること、すなわち、ノーマライゼーションの具現化に近づくことを期待している。なお、自己評価についてはセルフ・ディスクレパンシー理論の観点からの検討を試みた。上記の研究の一部は、日本認知症ケア学会における教育講演、日本老年精神医学会シンポジウム、および老年精神医学雑誌で紹介した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究目的を達成するために、申請時に計画していた「アセスメントツール」の内容と「認知リハビリテーション」の形式に関して、いくつかの見直しが必要となったため。アセスメントツールの開発に関しては、当初予定していた認知リハビリテーションの計画立案のためのアセスメントツールの内容を大きく変更することが必要となり、計画の見直しを図った。これにより、進捗に遅れが生じた。認知リハビリテーションに関しては、当初は認知エイドの提案や環境調整といった個別性の高い支援を集団実施型の認知リハビリテーションに組み入れることを想定していたが、個々の参加者のニーズに応じた個別的支援を集団実施型の認知リハビリテーションに含めることには課題が多いことがわかり、本研究の目的であるノーマライゼーションの具現化のためには、両者の強みをそれぞれ活かしたプログラムを考える方が望ましいと判断し、計画を見直した。これにより、進捗に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

第一は、アセスメントツールの内容の見直しである。当初は患者の残存能力を詳細に評価するための複数のアセスメントツールを開発する計画であったが、今後は、認知リハビリテーションの効果を評価するための介入効果評価用のアセスメントツールの開発に注力することにした。第二は、認知リハビリテーションの形式の見直しである。検討の結果、今後は、個別のニーズに応じた個別実施型の認知リハビリテーション(例、個々の参加者のニーズに関するアセスメント結果に基づく心理教育的な認知リハビリテーション)と、集団実施のメリットを最大限に活かした集団実施型の認知リハビリテーションのそれぞれの研究を推進することにした。第三は、研究対象の見直しである。当初、本研究では、認知症の前段階である軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCIまたはmild neurocognitive disorder: mild NCD)と、軽度認知症レベルの状態を初期ADと考えていたが、2023年にADに対する疾患修飾薬がわが国で初めて承認されたことにより、認知症の早期発見に対する国民の関心が高まった。その結果、MCIよりも早期の段階、すなわち、主観的認知機能低下(subjective cognitive decline: SCD)にも注目が集まるようになった。こうした状況を踏まえ、今後は、ADの最初期ともいえるSCDを研究対象に含める可能性について検討することにした。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 特集にあたって:認知症の診療・ケア・研究における公認心理師の役割2024

    • 著者名/発表者名
      松田 修
    • 雑誌名

      老年精神医学雑誌

      巻: 35 ページ: 135-140

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 認知症の心理検査2023

    • 著者名/発表者名
      松田 修
    • 学会等名
      日本認知症ケア学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 老年精神医学における公認心理師の役割2023

    • 著者名/発表者名
      松田 修
    • 学会等名
      日本老年精神医学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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