研究課題/領域番号 |
22K03106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
柴崎 光世 明星大学, 心理学部, 教授 (00325135)
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研究分担者 |
竹内 康二 明星大学, 心理学部, 教授 (00400656)
松本 優花里 (橋本優花里) 長崎県立大学, 地域創造学部, 教授 (70346469)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 神経心理学 / 高齢者 / 認知介入 / 近赤外分光(NIRS) / 近赤外分光法(NIRS) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,地域在住高齢者を対象とした認知機能支援への新しいアプローチとして,脳損傷後の高次脳機能障害やそれに対する介入方法を研究対象とする神経心理学の領域で培われた多彩な認知機能訓練方略の適用を試みるものである.具体的には,高齢者の前頭葉機能(ワーキングメモリ,実行機能)の維持・促進をねらいとした対面及び在宅型の神経心理学的な訓練プログラムを開発し,その効果を行動データ(認知成績)及び近赤外分光法(NIRS)による脳血流データの両側面から検討する.
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研究実績の概要 |
本研究は,地域在住高齢者の前頭葉機能の維持・促進をねらいとした神経心理学的な認知介入プログラムを開発し,その効果を行動及び近赤外分光法(NIRS)による脳血流データの両側面から検討することを目的とした.2022年度は,神経心理学的なアプローチによる前頭葉機能の訓練プログラムを開発する研究1及び,本研究で実施する認知介入の効果を測定するためのNIRS課題を開発する研究2に着手した. 研究1では,前頭葉機能のうちワーキングメモリと実行機能の2つをとりあげ,これらを促進させるための対面プログラムと在宅プログラムの開発に着手した.対面プログラムについては,包括的な神経心理学的リハビリテーションをモデルとして,認知機能低下への気づき,認知訓練に対するレディネス・動機づけの向上,社会的機能の促進をねらいとした集団訓練を開発することとした.具体的には,標的とする認知機能の特徴や発達的変化,認知機能低下の防御因子などを扱った心理教育課題,リラクゼーション訓練,注意制御訓練を盛り込んだ集団訓練プログラムを認知行動療法の技法を活用しながら開発していく.一方,在宅プログラムでは,インターネットを利用したテレリハビリテーション(テレリハ)型の個別訓練プログラムを開発することとし,これに際しては研究代表者が高次脳機能障害者を対象としたテレリハ研究で作成した前頭葉機能の訓練プログラムを高齢者向けに修正して利用することとした. 研究2では,実行機能(反応抑制)を評価するための2つのNIRS課題(空間的ストループ課題,後出しじゃんけん課題)を開発し,大学生を対象に予備データを収集した.両課題ともに反応抑制と関連した前頭前野の活動の増大が観察されたが,反応抑制の程度が低すぎても高すぎても課題と関連した前頭葉の活動が抑制されることから,参加者の適性に合った難易度を適切に設定することの重要性が浮き彫りとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では,本研究で実施する認知介入の効果を測定するためのNIRS課題の開発・基礎データの収集をおこなう研究2を2022年度中に完了する予定であった.しかし,2022年度には,標的とする前頭葉機能(ワーキングメモリ,実行機能)のうち,課題の難易度設定の難しさもあり,着手できたのは反応抑制を測定するためのNIRS課題の開発のみで,そのほかの実行機能(認知的柔軟性,構えの変換など)やワーキングメモリに関するNIRS課題の開発を進めることができなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
研究推進をはかるため,実験補助及びデータ分析補助を担う研究補助員・リサーチアシスタントの雇用を検討する.また,遠隔ミーティングシステムやSNS(ラインワークス)を活用して,研究代表者・研究分担者・研究協力者間での情報共有や研究にかかわる議論を促進していく.
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