研究課題/領域番号 |
22K03142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
井野 敬子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 室長 (10727118)
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研究分担者 |
金 吉晴 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所, 所長 (60225117)
利重 裕子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70813848)
中島 聡美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20285753)
田中 英三郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任講師 (20743040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | PTSD / 心的外傷後ストレス障害 / 認知行動療法 / 持続エクスポージャー療法 / 心理療法 / オンライン治療 / 遠隔治療 / インターネット / トラウマ / オンライン |
研究開始時の研究の概要 |
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知行動療法である持続エクスポージャー療法(PE)は、高い効果量を示す。近年の研究では、無作為比較試験によってウェブベースPEの効果が証明されている。ところで、本邦はもともとトラウマ専門治療が十分普及しておらず、コロナ禍においては通院が感染リスクになりうるため、現行の対面治療のみで患者のニーズに応えることに限界が見られている。この点においてウェブベースPEは画期的な解決案であり、本邦における効果検証と普及が望まれる。よって本研究は、成人のPTSD患者に対してビデオ会議システムを用いたウェブベースPEを施し、治療の前後で症状の改善を評価する。
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研究実績の概要 |
本研究は心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者に対して高い効果量を示す認知行動療法である、持続エクスポージャー療法(PE)をウェブ会議システムを使用して提供し、安全性と予備的有効性を検証するものである。近年の研究では無作為比較試験によってウェブベースのPEの効果が証明されているが、本邦ではトラウマ専門治療が十分に普及しておらず、治療者のリソースが限られている。そのため、現行の対面治療のみで患者のニーズに応えることには限界がある。この点においてウェブベースPEは画期的なサプライ方法であり、効果検証と普及が望まれる。本研究のデザインは、単群の前後比較であり、治療の前後でPTSD症状の改善を評価する。 今年度は5件のエントリーがあり、4例の症例を治療完遂した。1件は治療開始保留中である。リクルートは、国立精神・神経医療研究センター外来からの紹介が1例、名市大病院から1名、その他から3名であった。実施に際し、ウェブベースPEに適当な通信機器を持たない患者にはiPadを送付し、通信速度の確認方法等を教示し、事前に通信環境 を整えて実施したことで、通信機器に起因する不都合はなく、治療は滞りなく実施された。一時的な心理的苦痛の増加にもPE治療者が適切に対処し安全に治療が遂行された。
研究体制を更に拡充した。具体的には、武蔵野大学(リクルート協力のみ)・舞多聞こころのクリニック・名古屋市立大学に加え、東京大学も共同研究機関として参画した。1名の認定治療者が新たに本研究に加わり、当施設も含めて4施設でリクルートが可能となった。今年度は共同研究機関と2回の研究ミーティングを行い、連携を測った。 また日本トラウマティック・ストレス学会で発表した。次年度はケーススタディの論文作成と投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究機関と連携し4例の症例を完遂した。 東京大学を共同研究機関に追加し、研究体制を拡充した。また1名の認定治療者が新たに加わり、治療の実施体制も拡充された。 治療完遂から3か月後フォローアップの検査まで4例全て実施されている。 これらの点から研究は順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究体制、研究計画で研究推進が十分できると考えている。 更なるリクルート促進のために研究ポータルサイトの充足を進めている。 今後は、引き続き研究者が所属する施設が主催するPE研修会等を通じて、PE治療者の育成に努める。また、次年度はケーススタディ論文の作成と投稿を予定している。
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