研究課題/領域番号 |
22K03163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
塩崎 麻里子 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (40557948)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 後悔 / 人生満足感 / 人生受容 / 2次コントロール / 加齢 / 意思決定 / 文化的適応 / がん患者 / 感情調整方略 |
研究開始時の研究の概要 |
研究1では,日本の一般成人を対象に,死を意識した意思決定場面における,社会文化的背景を考慮した感情調整方略尺度を開発し,理想とする感情状態の違いによって,機能的な感情調整方略が異なり,その符合が後悔に影響することを示す。さらに,日米比較の質問紙調査を実施し,加齢と社会文化的背景が,人生の後悔とその制御に及ぼす影響を多母集団同時分析で検証する。それらの結果を受けて,協力機関でがん患者を亡くした遺族を対象にインタビューと質問紙を併用した調査を実施し,文化適応的後悔制御モデルががんの終末期の治療選択に適用できることを示し,具体的な支援方法を提案する。
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研究実績の概要 |
本年度の主な研究実績は、以下の知見を得たことである。 高齢期において後悔を解消する機会の制限を感じ、人生の残り時間が短いと認識すると、人生の困難に直面したときに、環境を変える1次コントロール方略よりも、認知を変える2次コントロール方略の方が適応的だという仮説を検討するために、20-77歳の成人488名を対象としたウェブ調査を実施した。報告された人生の困難領域は、仕事・教育(36.9%)、家族関係・恋人関係(19.7%)、経済面(18.6%)、健康面(15.1%)であった。結果としては、年齢は、コントロール方略や人生満足度と線形の関連がなかった。高齢であるかにかかわらず、2次コントロール方略を用いることは、人生の満足度や加齢に対する態度のポジティブな側面を予測した。さらに、年齢にかかわらず、精神的不健康状態であり人生に制限を感じている状態である場合に、人生の困難に対して1次コントロールを用いることは、加齢に対する態度のネガティブな側面に関して有意な予測をしていることが明らかとなった。これらのことから以下の2点の知見が得られた。1点目は、生物学的な年齢よりも、人生の残り時間の認識や制限されていることに対する認識が重要であると考えられ、個人差を捉えるうえでの重要な要因となると考えられることである。2点目は、加齢や人生を受け入れていくポジティブな側面を高めることと、ネガティブな側面を和らげることは、別の心理的メカニズムを想定して考えるべきであることである。適応的なコントロール方略には文化差がみられることが知られており、自身の人生に悔いを残さずに締めくくる上での日本人にとって適応的な方略について知見を重ねていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定していた学会発表や論文化が出来ていないため。
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今後の研究の推進方策 |
自分の人生を受け入れ、悔いなく、締めくくる上で重要な要因が明確になってきたので、文化適応的な側面を組み入れた後悔制御モデルを体系化していき、研究を次のステップに進めていく。
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