研究課題/領域番号 |
22K03170
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西村 大樹 岡山大学, 社会文化科学研究科, 客員研究員 (20832976)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
|
キーワード | 自閉スペクトラム症 / 就労 / 就労支援 / 就労継続 |
研究開始時の研究の概要 |
青年期・成人期のASDを対象とした就労支援は、さまざまな機関で実施されているが、その方法論について、現状では十分なコンセンサスが得られているとは言いがたい。また、就労支援を受けた者の長期的な就労状況やそれを阻害する要因についても、実証的な研究の不足もあり、十分に明らかになっていない。そこで本研究では、精神科医療機関を受診し、就労支援を受けたASD患者の長期的な就労状況について調査を行い、就労継続阻害要因、医療機関を受診する患者のニーズを明らかにしたうえで、医療機関で実施できる新たな支援方法を開発することを目的としている。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療機関を受診する自閉スペクトラム症(ASD)患者を対象に長期的な就労継続状況や就労継続阻害要因を明らかにし、既存のASD就労準備プログラムをもとに、医療機関で実施できるより効果的な支援方法を開発することである。 予備的な検討では、就労の困難さには、仕事に必要なスキルの低さや労働習慣が身についていないこと、円滑な社会生活に必要なコミュニケーションスキルの乏しさが関連している可能性が示唆された。 当該年度には、ASD就労準備プログラム終了者を対象に、長期的な就労状況や就労継続阻害要因を検討するための調査を計画した。具体的には、医療機関の倫理委員会での承認を得た後に、264名の成人のASD患者を対象に、ASD就労準備プログラム終了後の就労状況(就労の種類や就労期間)、プログラム参加時の年齢、性別、主診断、重複診断、ASD診断のタイミング、入院経験、最終学歴、不登校経験、ひきこもり経験、居住形態、自意識尺度、特性的自己効力感尺度(GSES)、就労準備性チェックシート、Autism-Spectrum Questionnaire Japanese version(AQ-J)、過去の就労経験、離職の要因、障害開示の希望、就労意欲の程度、就労支援・職業訓練を受けた経験とその内容、精神障害者福祉手帳の取得、障害年金の取得等についてカルテレビューを行った。現在、カルテレビューは終了し、統計解析を行うための準備を行っている。 今後はこれらの解析の結果から得られた情報をもとに、より効果的な支援方法となるようASD就労準備プログラムを改定していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者の異動や当該医療機関倫理委員会の開催頻度の少なさなどの理由から、調査の準備に時間を要したため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、カルテレビューにより得られたデータの解析を行い、就労継続阻害要因や促進要因について明らかにする。これらの結果をもとに、すでに実施しているASD就労準備プログラムをベースにして、より就労準備性を高められるプログラムを作成する。
|