研究課題/領域番号 |
22K03175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 常磐大学 |
研究代表者 |
樫村 正美 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (00550550)
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研究分担者 |
菊地 俊暁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20365373)
小久保 奈緒美 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部, 研究員 (40392451)
色本 涼 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90528788)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知行動療法 / 高齢者 / うつ / 不安 / 抑うつ / プログラム開発 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では、高齢者におけるメンタルヘルスについて注目が集まる一方で、メンタルヘルス改善のための心理社会的な介入方法に関する検討が少ないのが現状である。高齢者への薬物療法では、副作用が出現しやすいこと、また他の疾患に対する治療薬との多剤併用が問題となっており、非薬物的なアプローチの開発が求められている。そこで本研究では、一般成人の不安やうつといった症状に有効であることが報告されている認知行動療法を高齢者に適用するためのプログラムを開発し、その安全性や実施可能性、そして有効性を検討することを目的とする。本研究の結果により、わが国における高齢者のメンタルヘルスの維持、向上に寄与できると考えられる。
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研究実績の概要 |
2022年度は当初の計画の通り,①文献研究,②質問紙調査,そして③海外(英国)で公開されている高齢者を対象とした認知行動療法に関する実践者用マニュアルの翻訳を行った。まず①では高齢者を対象とした認知行動療法の効果を検証した文献,実施上の注意や工夫などについてまとめた文献,高齢者の治療抵抗や援助要請の阻害要因について報告している文献などを中心に調べ,研究分担者との研究会を通じて情報の共有やディスカッションを深めることができた。 次に②では,まず高齢者の不安症状を測定する尺度を開発のための質問紙調査を実施し,その結果をまとめた論文が受理された。続いて高齢者の治療抵抗や援助要請において阻害要因の一つとして考えられる高齢者におけるエイジズム(具体的には老いに関するネガティブなイメージ,態度)尺度,そして高齢者が認知行動療法を受けるにあたり,認知や感情をどの程度捉えることができるか(認知行動療法のための準備性),その程度を評価するための尺度,それぞれの日本語版作成について,原著者の許可を得ることができた。しかし,これらについては研究計画を立案する準備を進めてきたものの,2022年度内に調査を実施するまでには至らなかったため,2023年度への持ち越し課題となった。 最後に③について,高齢者を対象とした認知行動療法研究をリードする一人である,英国のKen Laidlaw教授(University of Exeter)が手がけた実践者用マニュアルが公開されており,Laidlaw教授に許可を得た上でこのマニュアルの翻訳作業を研究分担者たちとともに行った。このマニュアルには認知行動療法セッションの構造,実施上の注意点,高齢者を対象とする上での介入の工夫などが網羅的に掲載されており,2023年度以降に実施する介入プログラム開発に非常に有益な情報を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要でも記述したように,当初計画していた2つの調査研究において,調査実施にまで至らなかったためこの評価とした。当初,調査を実施する予定であった場所(研究協力機関)で実施することが主に先方の都合により困難となり,その対応に追われてしまったこともあり,調査のための準備に必要以上の時間を費やしてしまったことが遅れの一因として考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本来であれば2022年度中に実施すべき2つの調査を2023年度に持ち越すため,かなり計画的に研究を遂行する必要がある。2023年度は当初の予定でいえば高齢者を対象とした認知行動療法プログラム開発のための予備試験を実施することになっている。これまでの文献研究の成果や海外プログラムの翻訳作業を通して得られた知見などを統合し,まずは介入プログラムの素案を作成し,その内容について一年かけて吟味していく必要があると考える。 介入プログラムの素案を作成していくプロセスに遅れが生じないよう,研究分担者たちと遅れている調査研究の実施についてすでに話し合い,各々が役割を分担し準備を進めていくことができれば2023年度の7~8月頃には調査を完遂できる見通しを持てている。2022年度の遅れは2023年度のプロセスを妨げるほどのものではないと考えている。
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