研究課題/領域番号 |
22K03176
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
近藤 智 目白大学, 保健医療学部, 准教授 (00406571)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | うつ病 / リワーク / web介入 / 復職支援 / マインドフルネス / Web版 / 休職者 / Web / 心理的安全性 |
研究開始時の研究の概要 |
従来のうつ病による休職者は在宅ワークからでも復職しやすくなったのか?在宅勤務からスタートするほうが復職しやすいとの報告はいくつか散見されはじめたものの、在宅勤務経験者の状況は不明である。 一方、IT関連の技術進歩を背景に、インターネットを用いた遠隔医療システムによる診療や支援が注目されている中、うつ病休職を対象に体系的な取り組みはこれまで行われていない。また医療をベースにし、寛解率や再発予防率をアウトカムとして検証し、効果を示した研究は本邦では存在しない。 本研究では、Web版復職支援プログラムと名付け、外来群やリワークデイケア群と各成績を比較し介入の効果を検証することである。
|
研究実績の概要 |
2023年度の研究計画は、1)研究協力機関である埼玉県・神奈川県内の心療内科・精神科クリニック2か所にて、うつ病休職者の復職に向けたWebによるモデルプログラムの開発と介入の実施した。プログラムの適合性及びパイロット研究の実施である。 1施設での実施を終えた。また現在もう1施設にてモデルプログラムの開発と介入を実施している。詳細は介入群 ①Web介入者約10名、対照群 ②リワーク通所者 約10名、③うつ病外来患者 約10名12週1クール、3クール実施の計画であり現在1施設にて完遂した。 合わせて、アフターコロナ後のリモート勤務の働き方について、休職者は復職に当たりどのような心理的障壁があるのかについて調査研究を行った。 リワーク通所中の休職者を対象に、職場復帰にあたり、テレワーク勤務をどの程度希望するのかを明らかにし、本人達が考えるメリット、デメリットを整理したうえで、復職にとってテレワーク環境下は有用かどうかについて再考することを目的として実施した。結果、32名の休職者を調査し、うつ病休職者のリモート勤務にあたり、職場との関わり、コミュニケーションの取り方に関する治療モデルを導き、国際学会において報告した。 2024年度はさらに例数を増やした介入の継続を行い、導き出された結果に基づき企業への普及・啓発を予定している。 その際、復職の基準、判定ツールの開発も加えているため、企業等に提示する工夫も検討が必要であることが求められる。復職判定ツールの開発は、コンピューターによる判定ツールの開発も行いたいところであるが、その際には大掛かりな別の研究が必要であるため、次回の研究テーマとする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度時点で、臨床介入まで実施できており、概ね、仮説通りの結果が導き出された。 また国内学会3回、国際学会1回において、導き出された結果を報告し、うつ病休職者の対面とは異なる、リモート支援において効果が認められたことを報告した。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年の採取年度はもう1か所、協力医療機関において、介入研究の継続を実施する。 本邦においてアフターコロナ後の勤労者の働き方は、諸外国に比べ、対面出社の割合が非常に多いものの、総じてうつ病休職者の職場復帰支援は対面実施が中心であるが、最近では研究ベースにて遠隔による認知行動療法に基づく治療がおこなわれるようになり、本研究との類似性がみられるものの、症状や認知の改善のみならず、休職者を元の職場に戻す働きに対面と同様の成果があること、復職後の再発予防まで、Web上で一気通貫で行い、そのエビデンスを蓄積する視点から、大きく優位性が期待できる。 復職先である企業のほか、休職者の支援を行う医療機関以外の施設や企業においても、研究成果を活用したノウハウは非常に役立つことが期待できるため、最終年度は企業への研究成果の普及までを予定している。
|